著者
窪田 瞬 平田 順一 小島 麻里 國井 美紗子 冨田 敦子 釘本 千春 土井 宏 上田 直久 田中 章景
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.370-373, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
10

要旨:症例は79 歳男性.糖尿病で内服加療を行っていたが,突然発症の右不全片麻痺を来し当院に救急搬送された.頭部MRI 拡散強調画像で左内包後脚に高信号を認めた.血糖が30 mg/dl と著明に低下しており50%グルコースを静注したところ症状は速やかに消失し,片麻痺の原因は低血糖によるものと考えられた.患者は過去にも低血糖による内包後脚のMRI 異常信号を呈し,右不全片麻痺を発症していた.低血糖発作による脳卒中様の片麻痺は過去にも報告がみられるが,同一部位に繰り返しMRI 異常信号を認めた例はこれまでにない.内包後脚が低血糖への脆弱性が高い脳組織の一つであることが示された.
著者
國井 美紗子 中橋 秀文 大場 ちひろ 亀田 知明 土井 宏 釘本 千春 馬場 泰尚 鈴木 ゆめ 黒岩 義之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.1656-1658, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
3

先行感染を伴い,両側側頭葉に出血を伴う髄膜脳炎を呈し,同時に脊髄病変を認めた急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalomyelitis,ADEM)の男性例.出血を伴う激症型ADEMでは予後不良であることが知られているが,本例は発症早期よりステロイド治療を行い良好な経過をとった稀なケースであると考えられる.