著者
小宮 一浩 植村 徹 土井 宏之 渡邉 隆昌
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.74-96, 2019-03

ヘブライ語旧約聖書のモ-セ五書をト-ラ-(Torah)という。そのヘブライ語のト-ラ-を見ると母音記号(ニクダ-)の他にいくつかの記号が見受けられる。これらはト-ラ-を朗唱(朗読)するための記号でありタアメ-・ハミクラ-(Taame Hamikra)という。タアメ-は「味付け」、ハミクラ-は「朗唱または朗読」であるのでタアメ-・ハミクラ-は「朗唱(朗読)の味付け」という意味になる。つまり、このタアメ-・ハミクラ-を理解できればト-ラ-を朗唱して歌うことが可能になるということである。今回はト-ラ-のタアメ-・ハミクラ-を学ぶに至る経緯と、ト-ラ-のタアメ-・ハミクラ-について分析研究し考察した。
著者
徳田 温子 児玉 由紀 菅野 知佳 後藤 智子 山田 直史 山下 理絵 土井 宏太郎 金子 政時 鮫島 浩
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.538-543, 2020 (Released:2020-12-10)
参考文献数
9

梅毒は未だに最もよくみられる先天感染であり,未治療母体では胎児感染が懸念される.近年米国だけでなく,本邦でも梅毒患者数が増加し,先天梅毒の報告数が増えている.先天梅毒は適切な治療により予防可能であることから,妊娠中の梅毒の早期発見と早期治療が重要である.今回,先天梅毒を合併し異なる経過をとった極低出生体重児2症例を報告する.いずれも妊娠20週以降で判明した母体梅毒であったが,抗菌薬治療10日間後に出生した1例は軽快退院した.抗菌薬1回治療後に,胎児機能不全のため出生し,新生児死亡した症例の胎盤と全身臓器には多数のTreponema pallidumが認められ,抗菌薬治療の限界と考えられた.
著者
江崎 裕敬 井口 貴文 谷脇 正哲 山本 裕貞 土井 宏 三宅 隆之 桜田 真己
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.169-177, 2016 (Released:2016-08-18)
参考文献数
26
被引用文献数
3 3

心不全に対する西洋医学的治療は飛躍的に進歩しているが,西洋薬と機械的補助を用いても治療に難渋する症例は未だ存在する。このような重症難治性心不全患者に対して推奨されている標準治療に加え漢方薬を用いることで病態の改善が得られるかは判然としていない。そこで当院にて過去2年間に木防已湯を用いた重症難治性心不全患者を後ろ向きに検討した。研究期間は2013年4月から2015年4月とし,この期間に木防已湯が投与された患者12人の自覚症状の変化,血清 BNP 濃度,左室駆出率などについて後ろ向きに検討した。投与前後で血清 BNP 濃度は796.8 ± 830.8 g/ml から215.6 ± 85.5 pg/ml(p < 0.01)へ減少し,全例において自覚症状の改善を認めた。左室駆出率含め他のパラメーターに関しては有意差を認めなかった。西洋医学的対処が限界に達した患者において木防已湯の投与は有用である可能性が示唆された。
著者
窪田 瞬 平田 順一 小島 麻里 國井 美紗子 冨田 敦子 釘本 千春 土井 宏 上田 直久 田中 章景
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.370-373, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
10

要旨:症例は79 歳男性.糖尿病で内服加療を行っていたが,突然発症の右不全片麻痺を来し当院に救急搬送された.頭部MRI 拡散強調画像で左内包後脚に高信号を認めた.血糖が30 mg/dl と著明に低下しており50%グルコースを静注したところ症状は速やかに消失し,片麻痺の原因は低血糖によるものと考えられた.患者は過去にも低血糖による内包後脚のMRI 異常信号を呈し,右不全片麻痺を発症していた.低血糖発作による脳卒中様の片麻痺は過去にも報告がみられるが,同一部位に繰り返しMRI 異常信号を認めた例はこれまでにない.内包後脚が低血糖への脆弱性が高い脳組織の一つであることが示された.
著者
土井 宏育 岡 達三 野々村 禎昭
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.784-795, 2008 (Released:2008-09-27)
参考文献数
40

千葉県習志野市谷津干潟から分離したプロテアーゼ(E77)産生微生物 99-GP-2D-5 株の分類学的位置,E77 の諸性質およびエチゼンクラゲの酵素分解について検討を行った。16S rDNA の全塩基配列に基づいた分子系統解析および培養菌体アミノ酸分析の結果から,本株を Streptomyces 属の放線菌と同定した。本株培養液から調製した E77 の至適温度と pH は,それぞれ 70℃ と pH 8 だった。E77 はエチゼンクラゲを酵素安定的条件下(50℃,pH 8)において 60 分以内で完全に分解できた。
著者
國井 美紗子 中橋 秀文 大場 ちひろ 亀田 知明 土井 宏 釘本 千春 馬場 泰尚 鈴木 ゆめ 黒岩 義之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.1656-1658, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
3

先行感染を伴い,両側側頭葉に出血を伴う髄膜脳炎を呈し,同時に脊髄病変を認めた急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalomyelitis,ADEM)の男性例.出血を伴う激症型ADEMでは予後不良であることが知られているが,本例は発症早期よりステロイド治療を行い良好な経過をとった稀なケースであると考えられる.
著者
土井 宏育 岡 達三 野々村 禎昭
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.342-351, 2007 (Released:2013-02-19)
参考文献数
34

蛋白質分解酵素E77によるクラゲ分解廃液中のCODMn低減を指標に, クラゲ分解廃液を栄養源として増殖可能な酵母および細菌群を沿岸海域および汽水域の底泥から採取した. 耐塩性微生物を包括固定化し, バイオリアクタ-により塩分含有有機性廃液の処理を行った. 3%寒天廃液で調製したペレットに耐塩性微生物を1週間クラゲ分解廃液で馴養して包括固定化した. 酵母と細菌群混合を包括固定化したバイオリアクター処理により, クラゲ分解廃液中のCODMnを処理日数4日間で84%除去することができた. さらにバイオリアクター処理に水酸化カルシウムによる凝集沈澱と活性炭処理を併用することによりCODMnをほぼ100%除去できた. 塩分含有有機性廃液の処理を行った微生物叢を解析した, 酵母の形態および28SrDNA-D1/D2塩基配列の解析により, Rhodotorula mucilaginosaであると同定された. 細菌群のPCR-DGGE解析により, 6種類の細菌からなる群集構造が明らかとなり, Sphingobacterium属2種, Aeudomonas属, Flavobacterium属2種, およびBacillus属の細菌から構成される細菌叢を形成することが推定された.
著者
斎藤 未夏 林 豊 上土井 宏太 岩﨑 崇宏 斎藤 友利子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2018, pp.8-13, 2019-07

九州大学附属図書館では,広報物の見直しに端を発して,九州大学附属図書館の広報戦略について検討・策定することを目的に,広報戦略検討チームを時限付きで設置した.広報戦略の検討にあたっては,まず,広報活動の現状を把握して課題を明確化した.次に,それらの課題を踏まえ,目指すべき図書館像を確認するとともに,その実現に向けた広報戦略の核となるものとして「九州大学附属図書館のブランドアイデンティティプリズム(案)」を策定した.最後に,ブランドアイデンティティプリズムを実践する方策と体制について提案した.
著者
早貸 千代子 横尾 智治 小澤 富士男 菱山 玲子 徐 広孝 鈴木 清夫 関口 隆一 高橋 宏和 千野 浩一 土井 宏之 早川 和彦 山本 智也 小塩 靖崇 佐々木 司 小宮 一浩
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.159-169, 2016-03

心も体も大きな変化をもたらす10代は、精神疾患の好発時期といわれている。その要員として、夜更かし・睡眠不足等の生活習慣の乱れや、悩みや心配事を相談せず(できず)一人で抱え込む(援助希求をしない)等が指摘されている。現在の教育課程では、精神疾患とその対処に対する正しい知識を学ぶ機会がないために、本人も周囲も不調になったことに気付きにくく、本格的な病気の進行・長期化といった状態を招いている可能性が高い。そこで、本校の成長過程プロジェクト研究(以下、PI)では中学2年生を対象に、保健の授業の中で、心の不調や病気の予防・早期発見・早期対応の正しい知識と対応法(以下、メンタルヘルスリテラシー)の教育を試みた。授業前後で精神疾患の知識の向上と援助希求行動と援助行動の考えの改善が見られたのでここで報告する。
著者
亀田 知明 土井 宏 川本 裕子 城村 裕司 高橋 竜哉 児矢野 繁 鈴木 ゆめ 黒岩 義之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.351-356, 2010-07-25 (Released:2010-09-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

脊髄梗塞の臨床像および予後について検討した.対象は1997年4月から2008年9月までに横浜市立大学附属2病院神経内科に入院した急性期脊髄梗塞患者14例である.発症年齢は中央値63歳,範囲は22から74歳,男7例,女7例であった.心血管疾患危険因子は高血圧6例,糖尿病5例,喫煙4例,心房細動0例,心血管疾患の既往2例で,6例ではいずれの危険因子も認めなかった.病変部位は,頸髄3例,頸胸髄3例,胸髄5例,胸腰髄が3例で,4椎体以上にわたる病変を7例で認めた.臨床像を分類すると前脊髄動脈症候群が11例,Brown-S quard症候群が1例,横断性梗塞が2例だった.初発症状は痛みが8例,脱力が4例,痺れが2例で,10例では24時間以内に症状がピークに達した.治療についてはステロイドが6例,抗血小板薬が5例,抗凝固薬が10例,7例ではこれらの治療を併用した.退院時に歩行が可能であったのは6例で,感覚障害は全例で残存した.排尿障害によって導尿あるいは膀胱バルーンカテーテルが留置されていた例は9例であった.女性,長軸方向に長い病変,横断性梗塞,脱力で発症した例では予後が悪い傾向がみられた.