著者
高見 知寛 鈴木 功一 馬場 達也 前田 秀介 松本 隆明 西垣 正勝
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26(2006-CSEC-032), pp.209-214, 2006-03-17

本稿ではキーボード入力を取得するというキーロガーの挙動に着目し,キーボード入力に用いられるAPIの使用を検出することでキーロガーの検知を行う方式を提案する.本来のDLLの代わりにAPIの使用を検出する機能を付加した検査用DLLをプログラムにロードさせた上で試実行させることが本方式の特徴であり,ウイルス検知における動的ヒューリスティック法的なアプローチによるキーロガー検知方式となっている.本稿では本方式の基礎実験を行い,その検知率と誤検知率について評価する.
著者
陶 慧 鈴木 功
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.329-334, 2003-12-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
17

食パンの水分活性値について, パンの水分量, 水分吸脱着履歴, 測定温度を変化させることにより, いくつかの方法で測定した。試料は市場に広く普及している大手製パンメーカー製の一般的な食パンを使用した。水分の吸脱着履歴として, 吸着試料は新鮮なパンを五酸化ニリンで脱水後, 調湿塩により一定の湿度に保持したデシケーター内で水分を吸着させ, また脱着試料は, 試料の構造変化のないよう注意しながら通気乾燥法およりシリカゲル乾燥で緩やかに脱水させた。両試料とも水分の調整後, 暫時密封保持し試料内の水分分布を均一化させてから測定に用いた。水分活性の測定は, 半導体センサーによる測定, 平衡重量測定法, PEC法の3種類の方法を用いた。測定は, 温度10, 20, 30, 40℃, 水分含量0~48%, 水分活性0~1の範囲で行った。その結果, 比較的広範囲で明確な履歴現象 (hysteresis) が得られたのは, 平衡重量測定法であった。また, 高水分活性域ではPEC法がよい結果となった。半導体センサーによる測定は迅速簡便に行えるが, 吸脱着履歴など精密な測定には不向きであった。得られた値を用いて, 吸着理論式の適合性を評価した。用いた式は, GAB式, D-A式である。両者とも比較的よい適合性を示す結果となった。
著者
鈴木 功眞
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.85-72, 2004-04-01

『倭玉篇』諸本の中で現存最古の『延徳本』(延徳三年<一四九一>写)に就いては、既に部首排列が『大広益会玉篇』と、注のうち万葉仮名のものは『世尊寺本字鏡』・『音訓篇立』との関連性が有り、かつ、巻末に増補されている「倭玉」とする独自の九部首は、『音訓篇立』・『第四類本』との関連性が認められる八部首と、典拠不明の「曽」部から成るとされている。この先行研究に対し、本稿では、『延徳本』の部首排列が『会玉篇』と対応する部分の掲出字排列は『会玉篇』諸本の中でも内閣文庫蔵十二行本の元版による事、注は殆どが、『音訓篇立』・『第四類本』に典拠を有する事、かつ、典拠不明とされた巻末「曽」部も、掲出字排列と注の点で『第四類本』の「弟」部と関連性が認められる事を論証する。そして、『会玉篇』・『音訓篇立』・『第四類本』の部首排列・掲出字排列の体系に基準を置くと、『延徳本』はそれらの一部しか採録しない不完全な字書である事を述べる。