著者
鈴木 和将 大畠 誠 川本 克也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.157-171, 2012 (Released:2012-09-22)
参考文献数
10
被引用文献数
1

近年,ごみ焼却施設は,公衆衛生の向上,環境保全といった目的だけでなく,地球温暖化防止,資源・エネルギー消費の抑制等,低炭素・循環型社会に果たす役割が強く求められている。本研究は,ごみ焼却施設の低炭素・循環型社会への適合性を評価する手法の開発を目的として,15の焼却施設に対してLCA等の詳細調査を行い,評価指標の検討を行った。その結果,評価指標として,投入されるエネルギー量,CO2排出量,搬出残渣量等を抽出した。また,施設から外部へ供給する電気と熱という質の異なるエネルギーを同じ尺度で評価できる,外部へのエネルギー供給率を指標として提案した。さらに,これらの指標を用いて,発電効率の高い97焼却施設に適用評価し,ベストプラクティスである焼却施設の実態を把握するとともに,ベンチマーキングの基礎情報を得ることができた。また,これらの結果をわかりやすく示すことができるスコアリングおよび表示方法を提示した。
著者
川嵜 幹生 鈴木 和将 磯部 友護 渡辺 洋一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.27, 2015 (Released:2015-10-19)

不燃ごみとして捨てられる使用済み化粧品や医薬品についての処理処分に関わる課題について、本学会誌及び昨年度の研究発表会にて報告した。その主な要点は、①自治体が示している不燃ごみの出し方は、資源の出し方とは異なり、「中身を出し、軽くすすぐ」といった記述がない②化粧品、医薬品等の出し方に関する説明が少ない③使い切っていない化粧品や医薬品等が不燃ごみに混入しており、そのまま破砕され埋立処分されている④種類によっては、焼却灰より有機汚濁負荷能力が高いものもある等である。しかし、これまでの検討においては、不燃ごみ中に含まれている化粧品、医薬品等の量に関する調査は実施していなかった。そこで、不燃ごみ中に含まれている化粧品、医薬品等のピックアップ調査を行い、混入量に対する知見が得られたため報告する。
著者
松田 憲 楠見 孝 鈴木 和将
出版者
The Japanese Society for Cognitive Psychology
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-12, 2004
被引用文献数
1 1

本研究では,広告の「中心情報」を商品属性,「周辺情報」を商品名の典型性とし,情報探索や商品評価動機が強い高考慮商品カテゴリー,動機が比較的弱い低考慮商品カテゴリーにおいて,それらが商品に対する安心感, 好意度,購買欲評定に与える影響を検討する.実験は,大学生30名の参加者に対し,学習フェイズ,再生課題,評定フェイズの順で行った.実験の結果,高考慮・低考慮,両カテゴリーで周辺情報と中心情報が商品評定に促進効果を与えていた.また,パス解析の結果より,いずれのカテゴリーでも,属性がすべての尺度に直接影響を与えているのに対し,商品名の典型性が直接影響を及ぼすのは安心感のみであり,好意度や購買欲への効果は安心感を経由した間接効果であることが示された.低考慮カテゴリーにおいて,商品名の典型性の高低は属性による商品評定に影響を及ぼさず,両カテゴリーで,典型性が高い方の商品名再生数が多かった.