著者
鈴木 邦治 藤川 謙次 岸田 修 高橋 健作 村井 正大 鈴木 直人 前野 正夫 大塚 吉兵衛 鈴木 貫太郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.101-109, 1991-03-28
被引用文献数
12

ヒトの歯槽骨に由来する骨芽細胞様細胞の特性を調べるために,歯槽骨片をコラゲナーゼ処理した後に増殖してくる細胞群(E-AB)と,無処理の骨片から増殖してくる細胞群(N-AB)とに分け,両細胞群の細胞特性を比較検討した。細胞数当りのアルカリホスファターゼ活性値は,E-ABの方がN-ABの約7倍高い値を示した。一方,両細胞群の酸性ホスファターゼ活性値は同程度の値であり,N-ABのアルカリホスファターゼ活性値の50%以下の値を示した。また,酒石酸耐性酸性ホスファターゼ活性値は,両細胞群共に酸性ホスファターゼ活性値の約25%程度であった。両細胞群が合成・分泌するタンパク質を^<14>C-proline標識して比較すると,分子量200K以上およびプロコラーゲン・コラーゲンの分子領域に取り込みの多いタンパク質を認めたが,28Kおよび34K付近のバンドはE-ABの方が明瞭であった。マトリックス層にはその他に40〜50K領域に数種のバンドを認めた。
著者
小原 孝雄 中川 光二 慶松 元興 伊藤 宜人 国田 晴彦 嘉手納 成之 畑 俊一 大滝 幸哉 鈴木 邦治 中川 昌一 深津 亮 松浦 侯夫 大橋 晃
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.906-912, 1976

"Periodic hormonogenesis"を示し,ヒステリー発作を契機に寛解したGushing病,およびreserpine投与下でのmetyrapone試験直後より,急性副腎不全症状を呈し,寛解に到つたCushing病の2症例を報告する.症例1. 16才,女性.軽度の肥満・頬部紅潮・〓瘡・皮膚線条を認めた.尿中17-OHCSは, 4~46mg/日の間を約10日間の周期で変動し,血中corticosteroidsもこれに並行. ACTHには明らかな過剩反応を示したが,他の負荷試験は変動のため判定困難.副腎シンチグラムでは両側過形成像,頭部X線検査でトルコ鞍正常,他臓器に異常なく, periodic hormonogenesisを示すCushing病と診断した.この周期性変動はdexamethasone 8mg/日18日間投与で抑制された.経過中ヒステリー発作を生じ,その直後から尿中17-OHCSは3~8mg/日となり,周期性も消失.その後はACTHには過剰反応を示したが,抑制試験・metyrapone試験は正常となつた.症例2. 21才,女性.無月経で,中心性肥満・満月様顔貌・〓瘡・皮膚線条・高血圧を認めた.尿中17-OHCSは20~40mg/日で血中corticosteridsも高値.抑制試験は少量では非抑制, 8mg/日4日間投与で抑制された. metyraponeには過剩反応,副腎シンチグラムでは両側過形成像. reserpine投与下でのmetyrapone試験直後より副腎不全症状を呈し,尿中17-OHCSは1~5mg/日となり, Cushing病の諸症状改善.寛解後は, ACTHに過剩反応, metyraponeには無反応であつたが,他のホルモン系には障害はなかつた.