著者
松原 正樹 岡本 紘幸 佐野 智久 鈴木宏哉 延澤 志保 斎藤 博昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.1-6, 2008-12-12
被引用文献数
1

本稿では,オーケストラスコアの自動色付け手法 Score Illuminator について述べる.オーケストラなど大編成用に作曲された楽曲のスコアは,パート数の多さから,一覧性に欠けるという問題点を持つ.本稿では,スコアの可読性の向上を目的として,パート間のクラスタリングを行い,色付けすることでこれを明示する手法を提案する.本稿の手法では,リズム,響き,メロディ,和声を考慮した 4 つの特徴量を用いてパート間の距離を定義し,k-means アルゴリズムを利用してクラスタリングを行う.本稿では,実際の譜面の色付けを行う実験により,提案手法によってパート間の役割の区別を自動的に行うことが可能であることを示した.Orchestra scores have many parts together and score reading skill should be required to understand such orchestra scores. Musicians often put colors on the scores for score reading. In this paper we propose a method to illuminate orchestra scores with colors automatically according to the similarity between parts. Our method introduces four feature values, concerning the rhythm, sonic richness, melody and harmony respectively. The part clustering phase is built on k-means algorism using these four feature values. Our empirical result showed that our method succeeded in illuminating scores automatically for readability improvement.
著者
松原 正樹 岡本 紘幸 佐野 智久 鈴木宏哉 延澤 志保 斎藤 博昭
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2937-2948, 2009-12-15

オーケストラなど大編成用に作曲された楽曲のスコア(総譜)は,パート数の多さから判読性に欠け,異なるパート間の関連性を把握するには音楽構造を理解する必要があり,楽譜(パート譜)を読むことができてもスコアを読むことができない演奏者が多いという問題点がある.そこで本稿では,異なるパートの似た役割を持つフレーズをクラスタリングし,各クラスタに異なる色を割り当てて楽譜上に着色する手法と,音楽を再生しながら色付け楽譜を見ることで異なるパート間の関連性を把握しやすくするインタフェースを提案する.提案手法では,合奏において重視すべき,リズム,響き,メロディ,和声を考慮した4つの特徴量を用いてパート間の距離を定義し,k-meansアルゴリズムを利用してクラスタリングを行うことで色付け楽譜の生成を実現している.また提案するインタフェースにおいて,ユーザは操作の繰返しにより,スコアリーディングを熟達させることができ,楽曲の構造について考えて聴くようになった.実験結果より異なるパート間の関連性を把握する色付け楽譜の生成が可能であることを示し,スコアリーディング支援を実現できることを示した.