著者
中川 将吾 六崎 裕高 鎌田 浩史 俣木 優輝 遠藤 悠介 松田 真由美 高橋 一史 岩崎 信明 山崎 正志
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.75, pp.245-248, 2019-04-25

は じ め に 外骨格型の動作支援ロボットであるロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL;Cyberdyne社)を使用した機能回復訓練が脳卒中,脊髄損傷,変形性関節症といったさまざまな運動機能障害患者に対して導入され,その良好な結果が報告されている1~3).HALは関節運動の補助を行うとともに,補助された運動の変化を感覚系が中枢神経にフィードバックし,HAL取りはずし後にもその効果が継続するのではないかと考えられており,interactive bio-feedback仮説と呼ばれ,麻痺症状を呈するさまざまな疾患に対しての効果が期待できる4). HALは,脳性麻痺患者に対しても自立歩行を可能にすると報告されている5).脳性麻痺はさまざまな病型があるが,痙縮型に代表されるように,筋出力のインバランスを伴っている.重症度の分類であるgross motor function classification system(GMFCS)(表1)6)のレベルⅠからⅤに進むに従って重症化し,筋出力のインバランスも強くなってくる.GMFCSレベルⅢやレベルⅣの症例は,歩行訓練を行い,筋出力のインバランスを調整することで歩行能力を維持し,変形を予防し,介助量を減少させることが可能である. われわれのグループでは,運動機能障害を有する脳性麻痺患者に,HALを使用した歩行訓練を外来レベルで単回,また入院して集中的に行っている.本稿では脳性麻痺患者に対してのHALを使用した歩行トレーニング方法と,使用後の効果について報告した.

1 0 0 0 OA 妊婦の腰痛

著者
田代 俊之 久野 木順 蓮江 光男 真光 雄一郎 鎌田 浩史 星川 吉光
出版者
The Japanese Society of Lumbar Spine Disorders
雑誌
日本腰痛研究会雑誌 (ISSN:13417355)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.22-26, 1996-12-11 (Released:2010-06-28)
参考文献数
6
被引用文献数
2

妊娠時に腰痛を発症する女性は多い.そこで妊娠時腰痛の発症率, 臨床像, 危険因子などを調べるために, 分娩後10日以内の褥婦175例に対し, 入院中直接腰痛に対する問診および診察を行った.その結果妊娠中68%に腰痛を認めたが, その77.3%が31週までに発症していた.また30歳未満を若年群, 30歳以上を高齢群と分けると, 各群間の腰痛出現率に有意差は見られなかった.さらに, 分娩歴, 腰痛歴, 妊娠前後の体重差, 妊娠前肥満度, 新生児体重についても腰痛出現率に有意差は見られなかった.しかし, 初産婦では若年群で有意に腰痛出現率が高かった.また, 分娩直後の診察より仙腸関節部痛が18%に認められたが, 追跡調査の結果80%は1カ月以内に痛みが消失していた.