著者
長尾 大輔 玉井 久司 喜多 英敏 田中 一宏 岡崎 文保 斎藤 幸恵
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

非球形粒子として雪だるま型あるいはダンベル型の異方性複合粒子を 合成した。本複合粒子は、粒子を形作る有機ポリマーと、そのポリマー内部に埋め込まれた球無機成分に外場応答性を与えれば、外場に応答する異方性複合粒子も合成できる。このような特徴を有する異形複合粒子に対して磁場、電場等の外場を適切に 印加すると、異方性粒子が向きを揃えた状態で集積することを顕微鏡観察により実証した。
著者
軽部 彰宏 齋藤 史子 長尾 大輔 田村 大輔 尾野 夏紀 木村 菜桜子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-8, 2014 (Released:2014-07-24)
参考文献数
12

平成24年度より由利本荘地区 (由利本荘市, にかほ市) で, 細胞診のみによる従来の子宮頸がん検診にHPV検査を併用したHPV併用検診が開始された。1年間で772名がHPV併用検診を受診し, 87症例 (11.3%) がHPV検査陽性であった。その後に精査受診し, 組織診断まで追跡可能であった64症例 (73.6%) の結果について示した。細胞診が正常でHPV検査が陽性であった症例の67.6%にCIN1以上の病変が認められ, CIN2以上が5例発見された。従来の細胞診のみで発見されたCIN2以上は9例であったが, HPV検査を併用することでCIN2以上は14例となった。子宮頸がん検診の精度を向上させるために, HPV併用検診を積極的に取り入れていくべきと考えられた。
著者
今野 幹男 長尾 大輔
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

磁性ナノ粒子(マグネタイト)とシリカを均一に複合化することで、電場と磁場の両者に迅速に応答する単分散な複合粒子を合成した。複合粒子の合成過程では、磁性ナノ粒子をシリカ粒子表面に均一に担持した後に、粒子表面を別のシリカで薄く被覆した。このシリカ被覆により、複合粒子が水溶液でも均一に分散するようになった。さらに、複合粒子の集積状態を光学顕微鏡で容易に観察できるように、複合粒子をミクロンサイズまで大粒径化した。この複合粒子の懸濁液に電場を印加したところ、複合粒子は電場印加方向に対して平行な鎖状構造を形成した。磁場を印加した場合も、類似の鎖状構造を形成した。これらの外場下で形成される複合粒子の鎖は、いずれの外場印加に対してもその強度とともに伸長した。さらに、磁場と電場を互いに直交方向に印加した場合は、複合粒子がヘキサゴナル型に配列したシート状構造体を形成した。このような外場印加を雪だるま型の複合粒子に対しても行った。磁性ナノ粒子を含む雪だるま型粒子に磁場を印加したところ、磁性成分を含む雪だるまの頭部が印加磁場方向に対して並んだ構造を示した。一方、電場作用下での雪だるま複合粒子は、印加方向に対して粒子長軸を平行に向けた鎖状構造を形成した。さらに、磁場と電場の両者を同一方向に印加した場合は、雪だるま粒子の頭部を一方向に向けて配列した構造も観察することができた。これらの結果から、電場および磁場を複合的に利用することで、異方性粒子の配向性も制御できることを示した。