著者
長尾 尚 田辺 雅則 横山 和俊 谷口 秀夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.4, pp.259-270, 2022-04-01

サービスを提供するプログラムは,プロセッサ処理と入出力処理を繰り返す.利用者がこれらの処理速度を制御できれば,計算機の利便性を向上できる.そこで,著者らは,プロセッサ性能や入出力性能の調整法を提案した.ここで,入出力性能調整法は,入出力デバイスの処理時間と利用者が指定する性能から一定に保つべき目標の入出力時間を算出し,入出力要求の処理完了後に,理想の入出力時間になるまでOSのスリープ機能を用いて入出力システムコールの終了を遅延させる.近年,入出力デバイスとして普及しているSSDは,短い時間で入出力要求を処理するため,目標の入出力時間と必要な遅延時間も短くなる.これにより,必要な遅延時間がスリープ機能の動作可能な最短時間よりも短くなり,遅延させた入出力時間が目標の入出力時間を超過し,調整精度が低下する.そこで,必要に応じてビジーループによって遅延することで調整精度を向上させる選択的ビジーループ方式を提案する.評価により,提案方式は,入出力要求を短時間に処理する入出力デバイスにおいても入出力時間を精度良く調整できることを示す.
著者
長尾 尚 小林 直行 市川 隆司 黒上 晴夫 稲垣 忠
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.125-128, 2004-03-05
被引用文献数
1

本論文の目的は,「匿名性」と「即時一覧性」機能のある電子掲示板システムを活かした授業方法を開発し評価することにある.高校の学級という比較的規模の小さな日常空間においても「授業中」には,自由闊達に発言できない状況が生じる.その克服には,複数の相手に対面した状態で自分の意見を表現しやすい環境の支援が必要となる.そこで上述した2つの機能を備えた電子掲示板を開発しそれを組み込んで授業設計をすることで議論を活発にし新たな意見を導けないかと考えた.2回の授業実践の結果,匿名の電子掲示板上では,匿名性によって少数意見を導き出しやすく,即時一覧性により議論が活性化されるという2つの効果が明らかになった.