- 著者
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長谷川 一年
- 出版者
- 同志社大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2008
二年間の「近現代フランスにおけるレイシズムの思想史的研究」を通じて、以下のことが明らかになった。旧来型の「同化志向」のレイシズム(植民地主義を帰結する)に代わって、今日の新しいレイシズムは「差異志向」であり、「差異への配慮」を偽装しつつ、実際には排外主義(具体的には移民排斥)を帰結している。その思考様式の原型はすでに19世紀フランスのレイシズムに見られ、ある意味で20世紀フランスはそのロジックを再現していると言うことができる。