著者
千葉 桂子 長谷川 加奈子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 60回大会(2008年)
巻号頁・発行日
pp.85, 2008 (Released:2008-11-10)

目的 今日,日本の女子スポーツ選手の実力が国際的にも高く評価されるようになってきている。なかでも陸上競技については注目度が高まっている。女子選手にとって運動時の乳房のサポートは,心身の安全性・快適性という観点からも重要であり,メーカーもブラジャーの運動機能性向上のために多様な製品展開を行っている。本研究ではその陸上競技に着目し,大学生および高校生選手のブラジャーの着用実態の把握を行う。それにより競技生活への支援のための基礎的情報を得ることを目的とする。 方法 ブラジャーの着用実態について,留置・郵送法による質問紙調査を行った。調査概要は以下の通りである。調査期間:2007年11~12月,調査対象:福島県内大学・高校の陸上競技部に所属する女子部員,回収率:77.0%(配布数287部,回収数221部),主な質問内容:回答者の属性(専門種目,競技歴,練習の状況等含む),日常時・練習時・競技時に着用するブラジャーについて,問題点の有無,購入時に重視することなど。得られた回答結果に基づいて単純集計およびクロス集計等により分析を行った。 結果 練習の実施日数については,平均すると高校生が週6日,大学生が週5日であり,練習時間は全体の平均で2.5時間であった。練習時において着用するブラジャーについては「いつも一般的なタイプ(ホックあり,1/2・3/4・フルカップ)」(78.7%)が多く,「時々スポーツブラジャー」は13.1%,「いつもスポーツブラジャー」は6.9%とかなり少なかった。また全体の68.3%が一般的なタイプでも「特に問題を感じていない」と回答していたが,「問題を感じる」と回答した者では肩ひもに関する指摘が最も多かった。