著者
西田 春彦 長谷川 計二 与謝野 有紀
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.23, pp.p227-245, 1995-03

北海道・青森県・福島県・香川県・愛媛県・佐賀県・長崎県・熊本県の1990年の農業集落の特性を計量的に明らかにすることが主目的である。すでに、1990年の全国標本(3%の無作為抽出標本4049集落)、近畿2府4県(京都府、大阪府、滋賀県、兵庫県、奈良県、和歌山県)、東北4県(岩手県、宮城県、秋田県、山形県)と新潟県の農業集落カードの分析を済ませているので、これらと今回の分析結果をくらべることで、北海道および上記諸県の農業集落の特性をより明らかにできると考えられる。
著者
海野 道郎 長谷川 計二
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.5-19, 1989

本稿の目的は、(1)社会科学において「意図せざる結果」の概念が持つ重要性を主張するとともに、(2)「意図せざる結果」について概念的検討を加え、今後の分析のための枠組みを提供することにある。社会科学の古典において「意図せざる結果は繰り返し論じられてきた。さらに現代においても「自己組織性」や「社会運動論」などの現代社会学の最先端で「意図せざる結果」が論ぜられており、この概念の重要性が示唆された。<BR> これらの研究の中でとりわけ重要なのはマートンとブードンである。そこでまず、マートンの「潜在機能」および「予言の自己成就」の2つの概念に検討を加え、これらの概念が「意図せざる結果」の下位類型であることを示した。次に、ブードンの研究を取り上げ、「意図せざる結果」の類型化の問題点を指摘するとともに、個々の行為が集積されるプロセスに着目した類型化の必要性を示唆した。最後に、ブードンによる「意図せざる結果」に関する社会理論の4つの形式─「マルクス型」、「トックヴィル型」、「マートン型」、「ウェーバー型」─を取り上げ、これらの類型が、ブードンの「方法論的個人主義」の立場と密接に関連して設定されていることを示し、「意図せざる結果」が生ずるプロセスについて一般的な枠組みを示唆した。
著者
長谷川 計二
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.135-136, 2005 (Released:2007-07-06)
参考文献数
1
著者
海野 道郎 長谷川 計二
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.5-19, 1989-03-24 (Released:2009-03-31)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本稿の目的は、(1)社会科学において「意図せざる結果」の概念が持つ重要性を主張するとともに、(2)「意図せざる結果」について概念的検討を加え、今後の分析のための枠組みを提供することにある。社会科学の古典において「意図せざる結果は繰り返し論じられてきた。さらに現代においても「自己組織性」や「社会運動論」などの現代社会学の最先端で「意図せざる結果」が論ぜられており、この概念の重要性が示唆された。 これらの研究の中でとりわけ重要なのはマートンとブードンである。そこでまず、マートンの「潜在機能」および「予言の自己成就」の2つの概念に検討を加え、これらの概念が「意図せざる結果」の下位類型であることを示した。次に、ブードンの研究を取り上げ、「意図せざる結果」の類型化の問題点を指摘するとともに、個々の行為が集積されるプロセスに着目した類型化の必要性を示唆した。最後に、ブードンによる「意図せざる結果」に関する社会理論の4つの形式─「マルクス型」、「トックヴィル型」、「マートン型」、「ウェーバー型」─を取り上げ、これらの類型が、ブードンの「方法論的個人主義」の立場と密接に関連して設定されていることを示し、「意図せざる結果」が生ずるプロセスについて一般的な枠組みを示唆した。
著者
長谷川 計二
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.249-260, 2000

「生活環境主義」、「地域共同管理論」と、社会的ジレンマ研究に代表される数理的アプローチはともに、利用者としての地域住民自身が、いかにして自分たちの居住する地域を再編成し環境を保全していくかを問題とする点で探求の方向性を共有している。本稿は、資源管理問題と環境保全問題の具体的事例を手がかりに、これら諸アプローチ間の相互理解を図り、より一層の対話を促進することを目的としている。「生活環境主義」は、その方法が明確であり、数理的アプローチにおいて、たとえばゲームの構造を事例に即して考察し比較する上できわめて有効である。また「地域共同管理論」は、地域住民による主体的な地域の運営・管理を可能とする条件の解明に取り組んでおり、そこで明らかにされた諸条件は社会的ジレンマの新たな解決可能性を示唆する。他方、数理的アプローチは、地域社会に共通して見られるシステム安定化装置(たとえば、村八分)の存在根拠を示すとともに、地域管理に向けた諸条件の有効性を明らかにすることで、「生活環境主義」、「地域共同管理論」による研究に貢献することができる。