著者
宮本 みち子 長須 正明 樋口 明彦 平塚 眞樹 津富 宏 西村 貴之 新谷 周平
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

現代における若者のリスクは、教育から労働市場への移行の困難として表現されてきたが、それは特定の階層に集中している。これらの若者は家庭・学校・職場のいずれにおいても不利な立場で連鎖的に社会から排除されている。日本・オランダ・オーストラリア・イギリス・フィンランドの国際比較から日本の特徴をみると、若者の自立を担保する社会保障制度は極めて弱体である。社会的に孤立し就労困難な若者の増加に歯止めをかけるためには、所得保障と就労支援サービスのセット、教育・福祉・労働・保健医療制度の連携が必要である。ターゲットを絞った支援サービスだけでなく、若者の社会参加とエンパワメントを若者政策に位置づけるべきである。