- 著者
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大鹿糠 徹
阿部 浩明
関 崇志
大橋 信義
辻本 直秀
神 将文
- 出版者
- 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
- 雑誌
- 東北理学療法学 (ISSN:09152180)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, pp.20-27, 2017-08-31 (Released:2017-09-15)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
13
【目的】脳卒中重度片麻痺者に対し,背屈遊動とした長下肢装具(KAFO)を用いた無杖での二動作前型歩行(以下,背屈遊動前型無杖歩行)を実施した際と,杖と背屈制限を設けたKAFOを用いた三動作揃え 型歩行(以下,背屈制限揃え型杖歩行)を実施した際の歩行中の麻痺側下肢筋活動の差異を明らかにする事を目的とした。
【対象および方法】対象は当院へ入院した脳卒中重度片麻痺者のうち,歩行練習実施に際してKAFOを必要とした患者15名である。測定条件は背屈遊動前型無杖歩行と背屈制限揃え型杖歩行の2条件とし,麻痺側 下肢筋活動の評価には表面筋電図を用いた。測定筋は麻痺側の大殿筋,大腿筋膜張筋,大腿直筋,半腱様筋,前脛骨筋,腓腹筋内側頭とし,麻痺側立脚期中の筋電図積分値を算出し,2条件で比較した。
【結果】背屈遊動前型無杖歩行時には背屈制限揃え型杖歩行時よりも麻痺側下肢筋活動が有意に増加した。
【考察】脳卒中重度片麻痺者の歩行練習において,背屈遊動前型無杖歩行は背屈制限揃え型杖歩行よりも麻痺側下肢筋活動を増加させることが期待できるものと思われる。