著者
阿部 浩明 辻本 直秀 大鹿 糠徹 関 崇志 駒木 絢可 大橋 信義 神 将文 高島 悠次 門脇 敬 大崎 恵美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.11-20, 2017 (Released:2017-04-11)
参考文献数
16
被引用文献数
9

これまでの脳卒中例に対する理学療法技術は十分な科学的効果検証を行われずに継承されてきたものが少なくなかったかもしれない。脳卒中例に対する理学療法は主観的な評価が中心であったり,経験のみに基づいて構築されたりしていくべきものではなく,有効と思われる治療は検証を経た上でその有効性を示していくべきであろう。 前号に引き続き,我々がこれまで取り組んできた急性期の脳卒中重度片麻痺例に対する歩行トレーニングの実際と装具に関わる臨床および学術活動について紹介する。
著者
阿部 浩明 大鹿 糠徹 辻本 直秀 関 崇志 駒木 絢可 大橋 信義 神 将文 高島 悠次 門脇 敬 大崎 恵美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.17-27, 2016 (Released:2016-04-21)
参考文献数
42
被引用文献数
11

これまでの脳卒中者に対する理学療法技術は十分な科学的効果検証を行われずに継承されてきたものが少なくなかったかもしれない。脳卒中者に対する理学療法の治療指針を示す脳卒中理学療法診療ガイドラインにはエビデンスに基づき推奨される治療が記載されている。しかし、実際の理学療法の臨床では多様な意見があり、必ずしもガイドラインが有効に用いられてはいない感がある。脳卒中の理学療法は主観的な評価が中心であったり、経験のみに基づいて構築されたりしていくべきものではなく、有効と思われる治療は検証を経た上でその有効性を示していくべきであろう。 ここでは我々がこれまで取り組んできた急性期の脳卒中重度片麻痺例に対する歩行トレーニングの実際について概説し、装具に関わる臨床および学術活動について次号に渡って紹介したい。
著者
高島 悠次 阿部 浩明
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.52-59, 2018-01-01 (Released:2019-01-15)
参考文献数
30
被引用文献数
7

急性期に長下肢装具(以下,KAFO)を作製した脳損傷(脳卒中および頭部外傷)後片麻痺例と作製しなかった片麻痺例の回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)転院後の歩行および階段の機能的自立度(以下,FIM)のFIM得点の推移を後方視的に調査した.2010年より2年間に回復期リハ病棟に入院した重度片麻痺例のうち,急性期病院にてKAFOを作製した8例をKAFO群とし,同等の条件(年齢,発症からの日数,回復期リハ病院入院日数,麻痺の重症度,歩行機能,階段昇降機能)で作製せずに回復期リハ病棟に入院した20例を非作製群として抽出し,2群のFIM歩行とFIM階段の経時的変化を調査した.FIM歩行とFIM階段は経過に伴い,両群とも自立度が向上した.KAFO群は非作製群よりFIM歩行が早期に向上し,退院時のFIM階段が有意に高かった.重度片麻痺例において早期にKAFOを作製し,理学療法を実施することは,歩行自立度を早期に向上させ,階段昇降の自立度を向上させると思われた.