著者
甘利 俊一 尾関 智子 朴 慧暎
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.189-200, 2003-12-05 (Released:2011-03-14)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

多層パーセプトロンなどの神経回路網の全体を多様体として幾何学的に考察するとき, ここには階層構造に由来する特異点が本質的に含まれることがわかる. これには, 学習の遅滞, 精度の劣化など, 実際の多くの問題が関係している. 本稿は, 主に日本で発展している, 特異構造を含むモデルの統計的推論と学習のダイナミックスを取り扱い, その考え方を示し, 現在までに著者らが得ている研究の成果と構想について解説する.
著者
新保 弘 尾関 智子 溝渕 利明 野嶋 潤一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.337-343, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
10

調査点検の生産性向上に向けた打音検査の自動化や機械化には,まず打音評価の定量化が必要である.短時間フーリエ変換等により時間-周波数領域で画像化した打音データをCNN(Convolutional Neural Network)により教師あり学習させることで,健全部と欠陥部の打音を精度よく分類することは可能であるが,部材の特性や環境が異なると分類性能が低下する.ここでは画像化した打音について学習したCNNを特徴抽出器としてのみ利用し,テストサイトの健全打音データの特徴ベクトルから同サイトのテスト打音の特徴ベクトルをマハラノビス距離により評価する方法を提案・検証した.その結果,提案手法により条件の異なるサイトでも健全データからのマハラノビス距離により健全度を定量的に評価できる可能性を示した.
著者
関 智子 岡島 成行 進士 五十八
出版者
一般社団法人 日本環境教育学会
雑誌
環境教育 (ISSN:09172866)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.35-46, 2009-03-31 (Released:2011-06-04)
参考文献数
27
被引用文献数
1

The purpose of this study is to present philosophical elements useful in re-examining the foundations of environmental education in Japan by analyzing two of Ishida Baigan's representative works: “Tohi mondo” (Dialog between Sages and Commom People) and “Kenyaku seika ron (Bringing Order to One's House through Frugality)”.   Our findings can be summarized into the following three points. First, the relationship between humans and nature as espoused in Baigan's philosophy is founded on the philosophy of banbutsu ittai (the unity of all things). Second, a rereading of Baigan's Kenyaku ron (Frugality) and Shonin no michi (The Way of the Merchant) in the context of the first finding makes possible the following interpretations: (i) wealth represents not personal assets, but public interest within the global environment, and therefore must be used in ways that are useful to the environment; (ii) the merchant's job is to distribute wealth properly. Third, we can therefore view Baigan's philosophy as an environmental philosophy.   From these results, we conclude that environmental education in Japan should put a high priority on “the integration into nature” based on the philosophy of “the unity of all things.” By ensuring that this integration is not obstructed in any way, we will be able to develop approaches to the environment that are based on our traditional philosophies and are easier to accept for the public. The results of this study also suggest that Baigan's practical philosophy transcends time and is therefore applicable in modern environmental education as well.
著者
石黒 大樹 尾関 智子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3F3GS901, 2022 (Released:2022-07-11)

本研究では,単眼RGBカメラより得られた入力画像からハンドジェスチャを認識しWebアプリケーションの操作を可能とする非接触ユーザインタフェースを実現する.操作デバイスに触れずに対象を操作するUIの先行事例として赤外線センサやモーションセンサを活用したものがあるが,単眼RGBカメラのみを利用することで汎用的なモバイルデバイスでも簡易に操作可能なジェスチャ操作システムの実現を目指す.研究の手法として,まず機械学習ライブラリであるMediaPipeによって検出した手の各関節の座標点を学習データとして収集し,深層学習によっていくつかのジェスチャへと分類する.さらに,認識したハンドジェスチャを反映させる形でアプリ上に表示された地図を操作する.また,MLP,CNN,LSTMといった異なるネットワークを用いて学習をおこない,それぞれの精度の検証および最も適したネットワークを選定した.最終的に,LSTMによる94%の精度でのジェスチャ分類を可能としモバイルデバイスで利用可能なNUIシステムを構築した.