著者
関口 浩喜
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大學人文論叢 (ISSN:02852764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-34, 2009-06
著者
関口 浩喜
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.47, pp.256-265, 1996-05-01 (Released:2009-07-23)

Although Wittgenstein insists on the importance of the notion of a perspicuous representation (übersichtliche Darstellung) in his Philosophical Investigations (section 122), this notion has scarecely been clarified by Wittgenstein scholars. The aim of my paper is to throw light on this notion. A clue is found in the sections 90-92 of Philosophical Investigations, where Wittgenstein explains the aim of his invesitigations by contrasting them with the investigations which aim at exact representaions of the use of our words. Another clue is found in his Remarks on the Foundations of Mathematics, where Wittgenstein says that changing notation of a proof-pattern that is not perspicuous into one that is perspicuous changes our way of looking at it. From these clues I try to show that the opening sections of Investigations (i. e. a famous example of five-red-apples and a primitive language-game of section 2) should be seen as a typical place where Wittgenstein uses a perspicuous representation as the method of his philosophy.
著者
神崎 繁 樋口 克己 丹治 信春 岡田 紀子 伊吹 雄 関口 浩喜
出版者
東京都立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

平成7年度は、本研究課題に基づく研究の最終年度にあたるので、その研究成果を纏める意味でも、古代から現代までの道徳的価値をめぐる様々な立場の歴史的再検討と、現代的視角からの原理的研究の双方にわたって、研究分担者の各自の領域に関して研究を行い、その成果を発表してきた。古代に関して神崎は、特にアリストテレスにおける生命の原理としての「魂」概念の関係において、しばしばその生物学的・自然主義的価値理解が問題とされる点を整理し、価値認知がむしろ習慣的な「第二の自然」としての性格を持つ点を確認した。伊吹は、新約聖書における「アガペ-(愛)」の概念を分析して、その価値の志向的性格を明確にした。また樋口は、ニーチェにおける「テンペラメント(気質)」の概念に注目して、ヨーロッパの既成の価値概念の転倒を主張するニーチェの真意を明らかにする作業を行った。岡田は、ハイデガ-における価値哲学批判の意義を、以上の歴史的考察の背景において位置付ける考察を行った。そして丹治は、最近公刊された著書において、言語の共有ということの意義を検討することを通して、全体主義的言語観における価値の問題の位置付けに関する原理的考察の端緒を開いた。また、神崎は研究総括者として、そのような原理的研究において、所謂自然主義的立場の可能性に関して、丹治の立場を批判的に検討することによって、議論を深めることができた。また、以上の研究成果の一部を、報告書として公表すべく、その準備作業を行った。