著者
大崎 淳史 関戸 洋子 仲谷 剛史 後藤 匠 西出 和彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.704, pp.2135-2142, 2014-10-30 (Released:2014-10-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

This paper reports the results of experiments in which two astronauts evaluate the volume and impression of the laboratory room and the storage room in the Japanese Experiment Module "Kibo" of the International Space Station under microgravity, and 29 students evaluate the volume and impression of the two mockup rooms on the ground. The results are as follows. 1) The volume of the storage room of ISS was overestimated, or the volume of the laboratory room was underestimated. On the other hand, both the volume of the two mockup rooms were evaluated almost exactly. 2) Both the storage room and the laboratory room of ISS were evaluated as being "spacious", "not oppressive", "calming" and "comfortable". On the other hand, the mockup of the storage room was evaluated as being "not spacious", "oppressive" and "calming", and that of the laboratory room was evaluated as being "spacious", "not oppressive" and "not comfortable".
著者
関戸 洋子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究「小空間の認知特性」では、「小空間」をキーワードとして派生する次の主な3テーマ、1)子どもの嗜好する小空間としての住環境、2)空間容積の単位としての小空間「包pao」の検証、3)宇宙建築という限定された小空間、を軸として、これまでの研究活動を次のように実施した。1)「子どもの住環境」の研究については、a)実験とb)調査をおこなった。a)実験では、実際の親子による実験研究をおこない、b)調査では、乳幼児の住居への訪問調査をおこない、昨年度までの報告書に記載の通り、審査論文として研究成果を公表した。2)「空間容積の単位<包pao>」の研究については、文献・実測調査を継続した。これまで、都心の住居における実測などをおこなった。3)「宇宙建築」の研究については、RPD採用時の計画段階では、文献調査のみとしていたにもかかわらず、更に進展させた。具体的には、文献のほか、研究会を開催し、実験研究をおこない、その成果を本報告書に後述の通り、論文として公表した。更に、JAXA公募に選定され、微小重力下の限られた小空間である国際宇宙ステーションISSにおいて、空間の容積感・印象評価・ボール投げを通じたコミュニケーションについて、宇宙飛行士により10月に実施された。国際宇宙ステーションの都合により実施が遅れ、実施後データを受け取ることができたのはNASAやJAXAのデータ検閲を受けた後の12月であった。1月にはNASAへ速報を含む実施報告をおこなった。その後、現在もこの実施成果を審査論文としてまとめている最中である。また、今後のアウトリーチ活動への準備も進めつつある。以上の通り、「小空間」に関する研究活動を多角的におこない、最終的には、住環境の質の向上に資するための研究を着実に実施している。