- 著者
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阿南 あゆみ
竹山 ゆみ子
永松 有紀
金山 正子
- 出版者
- 産業医科大学学会
- 雑誌
- 産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.4, pp.385-393, 2005-12-01
- 被引用文献数
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3
本研究は, 児の主たる養育者である母親の対児感情に影響をおよぼす要因を明らかにすることを目的として, 産後入院中の母親185名に妊娠中の出産に対する希望の有無や, 出産時の「嬉しかった事」「嫌だった事」や出産時に感じた事などと対児感情との関連を, 無記名自記式質問紙調査として行った.データの統計的解析にはSPSS 12.0J for Windowsを使用し, 対児感情得点と設問項目の関連をマン・ホイットニーのU検定およびクラスカル・ワーリスの検定を行い解析した.その結果, 対児感情に影響をおよぼす要因は, キーパーソンの存在がいること, 妊娠中に具体的なバースプランを持つこと, 望まれた妊娠であること, 母親が納得のいく出産であることなどが明らかになった.今回の結果より, 思春期教育や受胎調節指導の重要性や, 母親を支えるサポート体制の確立, 出産をする場である医療機関における妊娠中から産後にかけての一貫した支援が重要であると考える.