著者
隈元 美貴子 柳田 元継
出版者
学校法人山陽学園 山陽学園大学・山陽学園短期大学
雑誌
山陽論叢 (ISSN:13410350)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.53-62, 2016-03-18 (Released:2018-11-28)

化粧行動を規定する要因として、ライフスタイルがあるが、このライフスタイルという概念は、その性質上、調査時期による変動的概念であるともいえる。それゆえ、現在の大学生のライフスタイルを明らかにするための十分なアンケートがほとんどない。そこで、本研究では、女子大学生を対象者とし、化粧行動とライフスタイルの関連性を明らかにすることを目的とし、まず、ライフスタイルに関するアンケートを作成し、化粧行動に関するアンケートと併せて質問紙調査を行い、その結果について検討を行った。ライフスタイルを測定する64項目への反応を因子分析(主因子・プロマックス回転)し、スクリープロットを参考に5因子を抽出した。それぞれ、「熱中度」「人間関係」「生活意識」「金か心か」「「ファッション」と命名した。次に、化粧行動を測定する27項目への反応を因子分析(主因子・プロマックス回転)し、スクリープロットを参考に5因子を抽出した。それぞれ、「自己顕示」「規範・機能」「流行性」「楽しみ」「受動性」と命名した。ここで、化粧行動に対する考え方で対象者をグループ化するために因子得点をもとにクラスター文政を行ったところ、「化粧関心型」「化粧中間型」「化粧無関心型」の3つのグループに分類することができた。各グループのライフスタイルを明らかにするために、ライフスタイルの因子特定の平均値を比較したところ、各因子においてグループ間で差異が認められ、化粧行動とライフスタイルの間に関連性があることが示唆された。
著者
隈元 美貴子 柳田 元継
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 被服行動がライフスタイルと関係があることは知られているが,ライフスタイルは時代とともに変化する.そこで,本研究では,現代の若者を被服行動により類型化し,類型ごとのライフスタイルの特徴を明らかにすることを目的とした.<b>方法</b> S大学および短期大学の学生を対象として,集合調査法による質問紙調査を行った.実施時期は2013年12月,対象は195名,回収率は99.0%であった.調査項目は,基本属性,被服行動に関する20項目,ライフスタイルに関する25項目から構成されている.得られた回答の分析を行い,検討を行った.統計分析は,因子分析,クラスター分析,一元分散分析をSPSSを用いて行った.<b>結果</b> 被服行動を測定する20項目への反応を因子分析(主因子・プロマックス回転)し,固有値1以上の4因子を抽出した.それぞれの因子に,「流行性」,「経済性」,「機能性」,「規範性」と命名した.次に,被服行動に対する考え方で対象者を類型化するために,被服行動を規定する4因子得点をもとにクラスター分析を行った.その結果,「流行性」「経済性」「機能性」に高い値を示す「ファッション重視型」,「流行性」「規範性」に高い値を示す「見た目重視型」,「流行性」「規範性」に低い値を示す「ファッション無関心型」に類型化できた.次に,ライフスタイルに対する各質問の回答の平均値を,それぞれの類型ごとに算出し,一元分散分析後,多重比較を行った.その結果より,類型ごとにライフスタイルの特徴をまとめたところ,「ファッション重視型」では,向上心があり,友人付き合いの範囲が広く,個性が強く,「見た目重視型」では,向上心があり,多方面に好奇心を持ち,「ファッション無関心型」では,外向性が低く,社会への飛躍願望があまりないことがわかった.
著者
隈元 美貴子 柳田 元継
出版者
山陽学園大学
雑誌
山陽論叢 (ISSN:13410350)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.53-62, 2016-03-18

化粧行動を規定する要因として、ライフスタイルがあるが、このライフスタイルという概念は、その性質上、調査時期による変動的概念であるともいえる。それゆえ、現在の大学生のライフスタイルを明らかにするための十分なアンケートがほとんどない。そこで、本研究では、女子大学生を対象者とし、化粧行動とライフスタイルの関連性を明らかにすることを目的とし、まず、ライフスタイルに関するアンケートを作成し、化粧行動に関するアンケートと併せて質問紙調査を行い、その結果について検討を行った。ライフスタイルを測定する64項目への反応を因子分析(主因子・プロマックス回転)し、スクリープロットを参考に5因子を抽出した。それぞれ、「熱中度」「人間関係」「生活意識」「金か心か」「「ファッション」と命名した。次に、化粧行動を測定する27項目への反応を因子分析(主因子・プロマックス回転)し、スクリープロットを参考に5因子を抽出した。それぞれ、「自己顕示」「規範・機能」「流行性」「楽しみ」「受動性」と命名した。ここで、化粧行動に対する考え方で対象者をグループ化するために因子得点をもとにクラスター文政を行ったところ、「化粧関心型」「化粧中間型」「化粧無関心型」の3つのグループに分類することができた。各グループのライフスタイルを明らかにするために、ライフスタイルの因子特定の平均値を比較したところ、各因子においてグループ間で差異が認められ、化粧行動とライフスタイルの間に関連性があることが示唆された。
著者
隈元 美貴子 柳田 元継 下野 勉
出版者
山陽学園大学
雑誌
山陽学園短期大学紀要 (ISSN:13410644)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.29-38, 2006

歯科診療は様々な不快な刺激によりストレスがかかる場面である。特に、子どもは苦痛を敏感に感じ、それを行動に示す。歯科診療時の恐怖感や不安感は痛みの閾値を下げ、治療を困難にさせ、悪循環を引き起こす。そのため、歯科医院では効果的なリラックス法を必要としている。リラックス法の一つである漸進的弛緩法は骨格筋の間歇的な緊張を通して、結果的に心身のリラックスを得る方法である。我々は筋肉の緊張と同様に脳の緊張が漸進的弛緩法に適用できるのではないかと仮説を立てた。これまでに脳に刺激をより強く与える可能性のある誘目性の高い図形の探索を行い、幾何学図形である三角形がその一つであることを見出した。そこで本研究では、なぜ三角形の誘目性が高いのかを明らかにするために、様々な形状の三角形を提示した時のラットの行動学的調査を行った。その結果、三角形のサイズや向きは図形提示部屋での滞在時間や注視時間に影響を与えなかった。次に、三角形を構成する線分の視覚走査回数を調べたところ、倒立三角形では右斜線を、正立三角形では左斜線をより多く注視した。このことは、斜線の誘目性が三角形における斜線の位置(左斜線か右斜線か)ではなく、角度(右上がり斜線か左上がり斜線か)に依存することを示唆する。そこで、斜線のみを提示した時の注視時間を調べたところ、ラットは右上がり斜線を左上がり斜線より長く注視した。これは右上がり斜線の誘目性が高いことを示す。この結果と円やフラクタル図形に右上がり斜線が含まれないことを考慮すると、三角形の高い誘目性が右上がり斜線の高い誘目性に起因することが示唆される。