著者
青木 崇
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-174, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)
参考文献数
5

ブロックチェーンはビットコインの中核技術として登場した。ビットコインは2008年にサトシ・ナカモトと名乗る人物がインターネット上に掲載した文書を基に考案された電子通貨である。その背景としては,日進月歩で進化するIT技術に取り残された中央集権型システムの非効率性への不満や,プライバシー情報の取り扱いに関する不信感などがあり,中央集権型システムから個人が中心となる分散型システムへの移行が期待された。分散型システムを機能させるネットワーク技術にブロックチェーンを適用すれば,新たな社会が誕生する可能性がある。一方で,ブロックチェーンに関するさまざまな情報がそれぞれの立場で語られている状況であり,必ずしもビジネス実務や金融業務を正確に把握しないまま,過度にブロックチェーンを礼賛している風潮もあるので冷静な議論が必要である。また,技術的な観点だけではなく,社会科学的なアプローチによる議論の必要性にも言及した。
著者
青木 崇
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
no.16, pp.43-52, 2009-03-31

The purpose of this article is to clarify corporate scandals and corporate social responsibility in Japan. In recent years, a spreading awareness of the need to achieve sustainable development and good compatibility between the environment and economic activity has prompted companies to rapidly step up environmental preservation efforts. In 2003, CSR have created boom throughout Japan. The reason for the boom is introduction and successive emergence of corporate scandals of CSR from overseas. Therefore, a lot of large Japanese companies formulate department of a CSR and CSR action agenda. It is important CSR does not practice in the boom but think work with corporation and society. There is no end in discussion about CSR. The CSR management is practicing based on corporate philosophy and it is important to do management to conscious stakeholders.
著者
青木 崇行 赤井 純治
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.125-132, 2005-03-25
被引用文献数
1

炭素鉱物のバラエティーとして,ダイヤモンド,グラファイト,フラーレン,カーボンナノチューブ,シュンガイト等がある.これらの概要を簡単にまとめ,その上で隕石中に含まれる炭素鉱物の研究の現状についてレビューした.さらに,南極産を含む炭素質コンドライト中の炭素鉱物を透過型電子顕微鏡で観察し,予報的に記載した.この結果,これら隕石中の炭素鉱物については,ナノメートルサイズのダイヤモンド,結晶度の異なる各種グラファイト,炭素が主体の非晶質物質等,さまざまなものが含まれることが分かった.またこれらの含有量比は隕石タイプにより異なる傾向がみられた.これら微小鉱物を捉えるには高分解能電子顕微鏡法が最も有力な研究手段であることを示した.