著者
水間 恵 岡村 俊宏 鈴木 英作 須田 義人 平山 琢二 小川 智子 鈴木 啓一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.51-57, 2013-02-25 (Released:2013-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

海藻と海苔の飼料添加給与がブタの免疫能に及ぼす影響を検討した.試験1では,体重20 kgのランドレース種去勢雄20頭を半数ずつ対照区と試験区に分けて群飼し,試験区には海藻を0.8%添加した飼料を給与した.試験開始時(0日),羊赤血球(SRBC)の一次(21日)と二次接種時(28日),その翌日(29日),さらにその一週間後(35日)に採血と唾液を採取し,免疫能を測定した. SRBC二次接種の翌日,食細胞活性は両区とも低下したが海藻区が有意に高かった(P<0.05).SRBC二次接種後,唾液中IgA濃度は海藻区が対照区と比べ有意に高い値(P<0.01)を示し,SRBC特異的IgG濃度も海藻区の値が高かったが有意差は認められなかった.試験2では肥育後期のブタに海苔を2.0%飼料添加し,各免疫形質について対照区と比較したが,いずれの免疫形質についても海苔添加の有意な効果は認められなかった.
著者
木下 英樹 井本 瞬 須田 義人 石田 光晴
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.171-176, 2011 (Released:2014-03-15)
参考文献数
15

プロバイオティック乳酸菌の単離は現在でも積極的に行われており,効率的な方法が望まれる。本研究では MRS 寒天培地と mLBS 寒天培地を用いて乳酸桿菌を単離し,その選択性について比較した。単離試験の結果,乳酸桿菌の検出率は,MRS 寒天培地では59.4%,mLBS 寒天培地では75.0%であった。また,MRS 寒天培地で最も多く単離された Lb. sakei は,mLBS 寒天培地では 1 菌株のみしか生育できず,Lb. curvatus および Lb. rossiae は mLBS 寒天培地では全く生育できなかった。 L. plantarum, Lb. coryniformis, Lb. rhamnosus, Lb. gasseri, Lb. brevis, Lb. fermentum, Lb. alimentarius, Lb. paracasei および Lb. casei は,単離した全ての菌株が mLBS 寒天培地に良好な生育をみせた。 Lactobacillus 属以外の乳酸菌では,Leuconostoc 属,Weissella 属,Pediococcus 属が検出されたが,mLBS 寒天培地に生育できたのは Pediococcus 属だけだった。このように MRS 寒天培地は選択性が低く乳酸菌以外の様々な細菌も分離され,mLBS 寒天培地は選択性が高く乳酸桿菌でも生育できない菌株が存在することが明らかとなり,目的に応じた培地の選択が必要であると考えられた。