- 著者
-
石島 健太郎
豊田 栄
滝川 雅之
須藤 健悟
青木 周司
中澤 高清
吉田 尚弘
- 出版者
- 一般社団法人日本地球化学会
- 雑誌
- 日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.48, 2013 (Released:2013-08-31)
大気中一酸化二窒素(N2O)は主要な温室効果気体として知られる一方で、今世紀最大のオゾン破壊物質であると考えられている。近年、N2O濃度測定精度の向上と、観測ネットワークの拡大により、N2Oの全球循環の把握を目的としたモデル研究を行う土台が整ってきた。N2O濃度の全球モデリングは最近では珍しくなく、逆解法による地表フラックスの見積もりも行われているが、もう一つのN2O放出源特定ツールであるN2Oの安定同位体に関しては、観測や室内実験等の研究は比較的数多くあるものの、全球モデルの研究は非常に限られている。本研究では、化学気候モデルをベースに開発されたN2O同位体モデルを用い、現代と産業化以前の大気中N2O同位体を再現し、それにより全球平均のN2O同位体放出量及び消滅量の見積った。その結果、N2Oの人為放出源の同位体比値は、過去の観測ベースの結果と比較して、傾向は似るが、有意に異なっていた。詳細については発表で報告する。