著者
山本 信弘 大道 乃里江 戸田 百合子 小山 健蔵 須藤 勝見
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 (0xF9C5)教科教育 05 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.p203-215, 1991-02
被引用文献数
1

昭和20年から現在に至るまでの性教育に関する書物を調査し,教育のなかで性教育はどのようにとりあげられ,位置づけされてきたかを検討した。その結果,性教育は,1)道徳面を重視した純潔教育の時代 2)純潔教育批判から生じた性の生理的側面が強調された教育の時代 3)生理的,心理的,社会的側面を含む人間としての総合的な教育の時代の三つの歴史的段階が認められた。また,学校教育のなかでの位置づけが不明瞭であることが教育現場での性教育の定着を妨げていることが示唆された。
著者
山本 信弘 光藤 雅康 須藤 勝見 上延 富久治 近藤 雄二 山下 節義
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 3 自然科学 (ISSN:03737411)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.p287-297, 1988-12
被引用文献数
2

ファミリーコンピュータなどの家庭用テレビゲームが急速に普及し,児童の心身発達過程における悪影響が指摘されはじめた。われわれは,小学校高学年の児童を対象に質問紙法によりテレビゲームの実行状況を調査し,特に,画面を見つづけることによる視機能や身体・精神面への影響とテレビゲーム遊びがもたらす日常生活場面における影響に関するデータから,学校保健上の指導対策を考えた。その結果として以下の様な知見を得た。(1)テレビゲーム経験者は調査対象者の9割以上で,遊びの頻度と1回当りの時間については約4割の者が親や教師との約束を守りながら実行していた。(2)テレビゲーム実行後の自覚症行については眼の症状の訴えだけでなく,頸,肩,腕,手指などの訴えが多く,実行時の姿勢や環境に留意させる必要がある。(3)精神面については,「何もしたくない」,「イライラする」,「親の話を聞くのが面倒」などと訴える者が多く,無気力,短気,反抗的などの傾向がみられる。