著者
中込 博 古屋 一茂 大森 征人 井上 慎吾 飯野 善一郎 依田 芳起 小林 正史 飯塚 恒
出版者
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.185-190, 2012-06-20 (Released:2014-12-05)
参考文献数
15
被引用文献数
3 4

過去の受診歴より継時的に腫瘤径の比較測定が可能であった30例(腫瘤21例,石灰化病変9例)の患者を対象に,腫瘍倍加時間(DT; doubling time)を算出した。検診の検出限界を5mmと考えたとき,腫瘍径5mmの病変が発見できず2年後の検診では2cmになる乳癌の腫瘍倍加時間は120日と計算される。120日より早いDTを持つ乳癌は2年毎の検診では転移を生じる病変になる可能性が高いと考え,その特性を組織型およびホルモンレセプター(HR),Her2発現によるsubtype別に検討した。120日以下のDTを示す病変は腫瘤性病変43%(9/21),石灰化病変44%(4/9)に認められた。Subtype別には,HR陰性Her2陰性の乳癌3例においてDT 60日前後と非常に速い増殖速度を示した。化生を伴う乳癌が2例含まれていた。HR陰性Her2陽性およびHR陽性Her2陽性の乳癌で,DTは112±10日,128±48日と早いことが認められた。HR陽性Her2陰性の乳癌19例において,DT 867±679日とばらつきが認められた。120日以下の症例は5例(26%)に認められ,粘液癌が3例,通常型乳癌が2例が含まれていた。HR陽性Her2陰性の乳癌において,検診の間隔は2年が妥当であるが,HR陰性Her2陰性およびHer2陽性の乳癌においては,さらに短期間での検診が必要と思われた。
著者
尾松 芳男 越川 裕正 飯塚 恒雄 小野 悌之助 美崎 教正
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.69-74, 1960-02-01

模型型実験により視覚及び聴覚反応時間を測定し,ランニング記録の計時誤差を検討した。1. スタートの合図にピストルの閃光を用いた場合には平均150msec程度の遅れを生ずる。2. ピストルの煙をスタートの合図とすると140乃至260msecと非常に広い範囲で遅延が認められる。(これは雷管紙の不均一なことと気象条件の差によって煙の発生が一定でないことに起因すると考えられる。)3. スタートと計時員との距離が接近すると,計時員がピストルの爆発音によって反応する可能性がある。4. ゴールに於ける誤差はスタートのそれに比して遙かに小さく,且つゴールイン以前に時計を停止する事がしばしばあり,走者と計時員との距離が多少変わっても反応時間には認むべき差がない。5. 計時誤差のうち,大きな部分を占めるのはスタートの誤差であり,これとゴールに於ける誤差との組み合わせ如何によって総合誤差は減殺され,或は増大するが,計時誤差が全く0となることは偶然以外には存在しないと云える。6. 現在公表されているランニング記録は真の記録より0.1乃至0.2秒,時には0.3秒短い値と考えられる。7. 公認審判員と他の被検者との間には何等差異を認めなかった。