著者
松島 文子 飯塚 舜介
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.528-534, 2001-07-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
44
被引用文献数
5 7

We measured the aluminum contents in foods and pharmaceuticals, and the aluminum concentrations in urine by atomic absorption spectrophotometry with polarized Zeeman background correction to obtain the daily intake and excretion of aluminum. The daily urinary excretions of aluminum in healthy females were obtained after consuming sea algae, hizikia fusiforme, which has a high aluminum contents. Daily aluminum excretion did not increase after taking hizikia fusiforme. On the other hand, high aluminum excretions were observed after taking an analgesic/antipyretic with a high aluminum contents, compared with the usual daily aluminum excretion (p<0.001), and compared with after taking an analgesic/antipyretic with no aluminum (p<0.0001). We found that the daily urinary excretion of aluminum was not related to the total consumption of aluminum, but depended on the binding state of aluminum consumed.
著者
飯塚 舜
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

『人間本性論』におけるヒュームの理論哲学を、虚構主義を打ち出す先駆的な議論として再解釈する。対象とするのは観念説経験論と呼ばれる方法論と、とりわけユニークな議論と評価される因果論である。本研究は2つの部分から成る。一つは、伝統的に懐疑論として理解されてきた因果論を虚構の積極的な側面を論じたものと解釈し、虚構を可能にする枠組みを与える方法論と併せて歴史的に再構成することである。もう一つは、ヒュームの言う虚構が、対象を文字通りではない何かとして扱うという構造を持つ点で現代の「解釈的虚構主義」に通じる点に着目し、彼の因果論及び方法論を現代においてなお魅力的な議論として合理的に再構成することである。
著者
飯塚 舜介
出版者
鳥取大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

アルミニウム負荷後の尿中アルミニウム排泄量については,有意な増加がみられた.今回の食物中のアルミニウム吸収率は0.14%であった.アルミニウムは他の毒性のある金属と比較して腸管吸収率は低く,日常生活レベルでのアルミニウムの毒性の低さがうなすける結果となった.さらに制酸剤中のアルミニウムの吸収率は,飲食物中のアルミニウム吸収率に比べてわずか10分の1以下の低い値であった.アルミニウムの生物学的半減期は,は約8.5時間であった.文献による血中アルミニウム半減期は約8時間とよく一致していた.尿量(x)と尿中アルミニウム濃度(y)の相関については,xy=一定と近似された.このことは単位時間当たりのアルミニウム排泄量は,でほぼ一定であることを示している(制酸剤の場合:約27ng/min).市販の缶詰,びん詰,テトラプリック無菌充填包装およびハイパーパック包装の天然果汁中のアルミニウム濃度を測定した.アルミニウム材料が使用されているが,著しい溶出などは観察されなかった.市販のコンブ3種,ワカメ4種,ヒジキ1種を試料とし,海草中のアルミニウム含有量,浸漬液および加熱抽出液へのアルミニウム移行量,浸出条件によるアルミニウム濃度への影響について検討したところ,ヒジキに高い濃度のアルミニウムが観察された.長期の曝露や,腎不全患者などのアルミニウムに対する排泄機構の働きか低下している場合,吸収されたアルミニウムが長い時間を経て脳その他の器官に蓄横し,アルツハイマー病などの重篤な健康障害をもたらす危険性は十分認識されるべきである.しかし,健常人においては,アルミニウムの吸収率は極めて低く,また吸収されたアルミニウムは速やかに尿中へ排泄されることが分かった.