著者
瀬尾 育弐 飯沼 一浩
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.257-262, 1987-04-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
14

体表から超音波プローブを当てるだけで, 無侵襲的に生体内の血流の流れるようすを観測できるカラードプラ断層法の原理と装置の概要と, その定量化への問題について述べる.
著者
飯沼 一浩
出版者
The Japan Academy of Neurosonology
雑誌
Neurosonology:神経超音波医学 (ISSN:0917074X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.7-10, 1995-02-28 (Released:2010-10-14)
被引用文献数
1

Accuracy and limitations of medical ultrasound are described in terms of several kinds of resolution, such as temporal, spatial, contrast and velocity resolution.Ultrasound speed of about 1500 m/s in human soft tissue, limits the number of frames per second, the viewing area and the scanning line density. There are trade-offs among these parameters. In color Doppler flow imaging, frame rate limitation is much more severe.Three kinds of spatial resolutions are defined as the range resolution, the lateral resolution and the slice width. A simple and practical drawing method for ultrasound beam width representing the lateral resolution is shown for non-focusing and focusing transducers. Upper and lower limitations of Doppler blood velocity measurements are described.
著者
丸山 純人 室井 健三 飯沼 一浩
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.405-413, 2013-12-31 (Released:2015-01-05)
参考文献数
13

fMRI による言語優位半球同定法として単語生成課題を心内発話で行う方法があるが, 心内発話では課題遂行中の被検者の情報が得られず, また, 運動前野の賦活が認められるため, 側性指標 (LI) の算出に影響を与える可能性がある。本研究では task として語想起発話, control として無意味語発話を行う新しい fMRI 撮像法を考案し, 課題遂行中の被検者の情報を得つつ, 運動野の賦活を画像上相殺し, LI を算出できるか検討した。本手法では従来の心内発話法に比べ賦活範囲は狭くなったが, ブローカ野, および補足運動野に賦活が認められ, 運動前野や一次運動野の賦活は賦活マップ上では認められなかった。また心内発話法で算出した LI と有意な差はなかった。本手法を用いれば fMRI 撮像中の被検者の課題遂行の情報を把握することができるため, より信頼性の高い言語優位半球同定法として利用できる見通しが得られた。
著者
桑原 正明 飯沼 一浩 大川 俊之 伊勢 秀雄 景山 鎮一 高山 和喜 OHKAWA Toshiyuki HOSOYA Fumio 細谷 文夫
出版者
東北大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1986

微小爆発を水中衝撃波のエネルギー源とした体外衝撃波結石破砕システム(mESWL)を開発し, 222名の上部尿路結石症患者(229治療症例)に試験治療を行い, 96%の症例に治療効果を認めた. 合併症としては発熱と結石排出に伴うせん痛が20%の内外の患者に見られた. この他には菌血症1例, 消化管出血1例, 腎被膜下血腫2例が見られた. 後者の4症例は, 1例の腎被膜下血腫の1例に経皮的なドレナージを施行した他は保存的に治療した. これらの合併症の発生頻度はこれまで実用化されている体外衝撃波結石破砕機におけるものとほぼ同様であった. 従って, mESWLはこれまでのESWL機と同様に臨床的な治療機として応用できることが示された.mESWLは現時点では一応, 完成されたシステムであると考えているが, 欠点がないわけではない. 例えば私たちはmESWLの治療方式として衝撃波のエネルギー効率を重視し, 患者を水槽内に入れて治療をおこなう方式(water-tub)を採用した. また, 私たちは爆薬の単純性とその強力さに注目して, 衝撃波発生のエネルギー源に専ら爆薬を用いてきた. しかし, 爆薬を使用する限り, 爆発に伴う騒音の発生や爆薬を取り扱うことの煩わしさが避けられない. 騒音についてはDornier機(HM-1)と同じレベルであることが確かめられ, この点についての問題は少ないが, 経済的な見地からみると爆薬そのもののコストも無視することはできない. こしたことから, 将来的にはtub-less方式の検討やピエゾ素子など他のエネルギーを用いることについても検討を進めたいと考えている.mESWLの総合評価は治療効果, 操作性, 経済性などを含めた他の体外衝撃波結石破砕機との比較を待たなければならないが, 国産の体外衝撃波結石破砕機を独自の方式で開発することができた意義は大きいとかんがえられる.