著者
飯田 武揚 飯田 武夫 野崎 弘 鋤柄 光則
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1976, no.5, pp.837-844, 1976
被引用文献数
3

アイソタクチックポリプロピレンを常圧下,380℃で熱分解し,室温で液状の炭化水素の熱分解生成物を得た。この分解油のガスクロマトグラムには微量な成分を含めて40本以上のピークが現われる。それらの中で分解油重量に対して3wt%以上の成分である8本のピークを選び,それらを精密分留装置で分取した.これらの成分の構造決定は主として<SUP>13</SUP>C NMRスペクトル順量スペクトルによった。その結果ペンタン,2-メチル-1-ペンテン(プロピレンの二量体オレフィン),4-メチルヘプタン(三量体パラフィン),2,4-ジメチノレ-1-ヘプテン(三量体ナレフィン),4,6-ジメチルノナン(四量体パラフィン),2,4,6-トリメチル-1-ノネン(四量体オレフィン),4,6,8-トリメチルウンデカン(五量体パラフィン),2,4,6,8-テトラメチル-1-ウンデセン(五量体オレフィン)の八つの成分の構造を決定することができた.四量体パラフィンから五量体オレフィンにかけて<SUP>13</SUP>CNMRスペクトルにはダイアドとトライアドの立体規則性によるシグナルの多重性が現われる。これらのシグナルのタクチシティーを含めての帰属と成分の構造決定から,熱分縦成物の72wt%は分枝モノオレフィンであり,21wt%は分枝パラフィンであること,さらにポリプ・ピレンのアイソタクチックな構造が熱分鰍こよって変化し,ヘテロタクチックな構造をもつ熱分解生成物ができていることがわかった。