著者
野崎 弘
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.194-201, 1972-05-01

100気圧程度の流体(液体またはガス体)を含む容器や管の接合部からの漏れ止めに固形ガスケットにかわって液状ガスケットが使われる.この程度の内圧になると固形ガスケットでは必ずもれるという宿命を克服し,一般車輌の油送管から航空機,ロケットに至るまでそのもれどめの役をつとめる.その液状ガスケットの耐圧機構は何か.それをほり下げることによって液状ガスケットの構造と特性はいかにあるべきかを解説した.
著者
飯田 武揚 飯田 武夫 野崎 弘 鋤柄 光則
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1976, no.5, pp.837-844, 1976
被引用文献数
3

アイソタクチックポリプロピレンを常圧下,380℃で熱分解し,室温で液状の炭化水素の熱分解生成物を得た。この分解油のガスクロマトグラムには微量な成分を含めて40本以上のピークが現われる。それらの中で分解油重量に対して3wt%以上の成分である8本のピークを選び,それらを精密分留装置で分取した.これらの成分の構造決定は主として<SUP>13</SUP>C NMRスペクトル順量スペクトルによった。その結果ペンタン,2-メチル-1-ペンテン(プロピレンの二量体オレフィン),4-メチルヘプタン(三量体パラフィン),2,4-ジメチノレ-1-ヘプテン(三量体ナレフィン),4,6-ジメチルノナン(四量体パラフィン),2,4,6-トリメチル-1-ノネン(四量体オレフィン),4,6,8-トリメチルウンデカン(五量体パラフィン),2,4,6,8-テトラメチル-1-ウンデセン(五量体オレフィン)の八つの成分の構造を決定することができた.四量体パラフィンから五量体オレフィンにかけて<SUP>13</SUP>CNMRスペクトルにはダイアドとトライアドの立体規則性によるシグナルの多重性が現われる。これらのシグナルのタクチシティーを含めての帰属と成分の構造決定から,熱分縦成物の72wt%は分枝モノオレフィンであり,21wt%は分枝パラフィンであること,さらにポリプ・ピレンのアイソタクチックな構造が熱分鰍こよって変化し,ヘテロタクチックな構造をもつ熱分解生成物ができていることがわかった。
著者
野崎 弘 長島 清治 藤代 光雄
出版者
誠文堂新光社
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.406-409, 1951-10

四圍海に圍まれた島國日本は,海水の主要成分食鹽の外,マグネシウム,加里,プローム,ストロンチウム,硼素.........と重要物資を採ろうとすれば,無償でいくらでも手近にひかえでいる.ところか食鹽だけで年に100萬ton約150億圓以上を輸入している.これはなぜであろう.また膨大なこの外鹽,加里鹽,マグネシヤ等の輸入を驅逐するにはどうしたらよいか.科學技術者の力にまつところ眞に大なるものがある.