著者
板橋 幸弘 馬場 俊明 加藤 智 佐々木 睦男
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.108-111, 2005-01-01
被引用文献数
9

症例は36歳の女性で,間欠的な強い腹痛で近医を受診し,右上腹部に径10cm大の腫瘤を指摘されたが原因不明のまま退院した.再度腹痛が出現したため当院救急外来を受診した.腹部超音波およびCTで右上腹部の可動性のない腫瘤に一致して腸管重積像を認めた.翌朝より血便を伴い,血清CPK値1,003IU/Lと著明に上昇したため緊急手術となった.回腸末端を先進部とし,横行結腸中央付近に達する回盲部型腸重積症で,Hutchingson手技で重積を解除したが,重積されていた右側結腸全体の腸管壁が著明に硬く肥厚しており結腸右半切除術を施行した.盲腸から上行結腸にかけて後腹膜に固定されていないことが腸重積の誘因と思われた.切除標本で重積の原因となりうる器質的変化を認めず,特発性腸重積症と診断した,重積腸管が広範囲で,長時間経過している場合には腸管壁の不可逆的な変化が強く,重積を解除しても腸切除は必要と思われた.
著者
西村 顕正 森田 隆幸 村田 暁彦 馬場 俊明 池永 照史郎一期 木村 憲央 佐々木 睦男
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.346-350, 2003-07-01
被引用文献数
1

抗リン脂質抗体症候群(APS)に全身性エリテマトーデス(SLE)を合併し上腸間膜静脈血栓症を発症した1例を経験した.症例は63歳女性.平成7年APS,平成9年SLEと診断され当院内科で加療中であった.平成13年5月21日より腹部不快感を自覚した.5月26日より腹痛が増強したため救急外来を受診した.腹部造影CTで上腸間膜静脈血栓症を疑い,同日緊急手術を施行した.トライツ靱帯から約190cm肛門側の小腸に約50cmにわたり虚血性病変を認め,これを切除した.術後は抗凝固療法を行い,17日目に退院となった.上腸間膜静脈血栓症は稀な疾患であり,早期診断が困難なことが多い.凝固能亢進状態にある患者では同疾患も念頭に入れ,早期診断と治療にあたることが必要と考えられた.