著者
高井 まどか
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

再生医工学において、材料への細胞接着を制御することは必須である。本研究ではナノレベルで構造が制御されたナノ相分離構造を作製し、このパターンの違いにより、異なるタンパク質の吸着状態を作り、その上での細胞接着挙動の解明を目的とした。親水性部位と疎水性部位を有する両親媒性ブロックコポリマーを合成し、ナノレベルで構造が制御されたパターン表面を作製することが可能となった。親・疎水性の相が反転したナノ相分離構造界面で、細胞接着を誘導するタンパク質は、疎水性ドット状ドメインサイズに依存して凝集体を形成し吸着した。タンパク質の凝集体構造と、分布状態により細胞接着が制御されることが明らかとなった。
著者
高井 まどか
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008-04-01

本研究では、材料表面へのタンパク質の吸着とそれを介した細胞接着を、様々な材料表面を用い、水晶振動子マイクロバランス(QCM-D)法を用いて評価することで、初期接着挙動を解析するデバイス創製を目的とした。QCM-Dを用いることで、タンパク質が材料の吸着し細胞が接着する一連のプロセスを同一パラメータで解析することができた。また細胞接着密度の異なる接着細胞数では、接着している細胞数が多いと、吸着と伸展の挙動は検出されるが、リモデリングは観察されないという差異をQCM-Dで解析することができた。細胞と材料表面の接着挙動を動的に解析するデバイスとしてQCM-Dが適応できることを明らかにした。
著者
前田 瑞夫 高原 淳 高井 まどか 栗原 和枝 長崎 幸夫 三浦 佳子 菊池 明彦 松岡 秀樹 北野 博巳 佐藤 縁 熊木 治郎 山岡 哲二 宮原 裕二
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008-11-13

本領域では、ソフト界面に関わる先導的研究や若手研究者による挑戦的研究を糾合・組織化することにより、ソフト界面が示す新奇現象を解明し、その特性を活かした新機能材料を創出することを目指して研究を進めてきた。その成果は年度ごとの成果報告書・公開シンポジウム等により積極的に発信してきたが、それだけでは領域の全体像が見えにくいのも事実である。この点を補うために領域横断的な共通課題について公開ワークショップを開催することで俯瞰的な見方からの成果発信に努めてきた。この度、5年間の研究を取りまとめることで、新しい学術領域の確立という観点から、研究成果の全体像の公開・普及と内外の関連研究者のより一層の交流ならびに若手研究者の育成に努めた。具体的には、最終報告会として7月に東京大学駒場キャンパスにて公開シンポジウムを開催し、また同時にニュースレター12号を発行し配布ならびにウェッブ公開することで、成果の普及、領域内外の研究者との交流に努めた。また年度末の3月には、領域内の研究発表会を開催し、本領域研究に参画した研究者の互いの交流や成果取り纏め、ならびに今後の活動に関する意見交換を行った。10月には領域代表者の前田が日本化学会にて、また11月には事務担当者の長崎が日本バイオマテリアル学会大会にて、本領域の成果をアピールする招待講演を行ったほか、各研究グループにおいては、各自アウトリーチ活動の継続による国民の理解深化に努めた。一方で、領域ホームページの継続運用により持続的に広報活動を行った。また日本MRSに「ソフトインターフェース研究会」の設置を申請し、今後の継続的発展のためのプラットフォームを構築した。さらには、ソフト界面に関する英文教科書の執筆・編集を引き続き進めている。