著者
高島 勉
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
気象研究所研究報告 (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.75-81, 1983
被引用文献数
5

海からの放射の大気散乱光に及ぼす影響をadding methodに使える形で導いた。大気及び海水は水平方向に光学的に一様で、垂直方向に不均質であると仮定した。海面はCox and Munk(1956)のモデルとし、海底は黒体とした。海中の海水、hydrosol、chlorophyll 等によって散乱、反射した光は偏光を考慮した形で式を導いたが、計算例としてはRaschke (1972)のモデルをscalarで求め、衛星によって受信される反射光の強度 (0.63μm: NOAA搭載AVHRR放射計の第1チャンネルの中心波長に対応) への影響として討議した。海中からの放射は天底角が小さい所で認められ、天底角が大きくなると影響がない事がわかった。偏光を考慮した計算結果は準備中です。
著者
野田 諭 松谷 慎治 浅野 有香 倉田 研人 柏木 伸一郎 川尻 成美 高島 勉 小野田 尚佳 大澤 雅彦 平川 弘聖
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.139-143, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
15

症例は66歳女性。高CEA血症の精査にて甲状腺腫瘍を指摘され当院紹介。右葉に18mm大の腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診で濾胞性腫瘍と診断された。濾胞性腫瘍として1年6カ月超音波のみで経過観察され変化を認めなかった。2年6カ月後,他院PET検査で甲状腺への異常集積を指摘され,再受診した。CEAの上昇,腫瘤の増大傾向を認め,カルシトニンが高値であり,手術を施行,術中組織検査にて髄様癌と診断,非機能性の副甲状腺過形成を伴っており,甲状腺全摘術,頸部リンパ節郭清と副甲状腺全摘術および自家移植を施行した。病期はpT2N0M0 StageⅡであった。初診時の画像および細胞診結果から濾胞性腫瘍と診断,長期超音波で経過観察された髄様癌の1例を経験した。初診時診断に反省すべき点は多いが,経過を追えた点で貴重な経験と考え,文献的考察を加えて報告する。
著者
豊川(任) 貴弘 小川 正文 高島 勉 山崎 政直 田中 浩明 坂崎 庄平
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.266-271, 2003-04-01
被引用文献数
2

症例は50歳の女性.心窩部痛を主訴に来院し,腹部単純X線写真上,仰臥位では右上腹部に胆嚢およびその左側で総胆管の走行に一致した淡い石灰化様陰影を認め,立位ではこの胆嚢様の石灰化様陰影は下に凸の半月様に変形を示した.CT,DICなどにより総胆管結石,胆嚢結石,石灰乳胆汁と診断し手術を施行した.胆嚢の病理所見は慢性胆嚢炎で,総胆管結石はコレステロール79%,炭酸カルシウム21%で胆嚢内の石灰乳胆汁は98%以上が炭酸カルシウムであった.石灰乳胆汁は炭酸カルシウムを主成分とし,腹部単純X線写真上,特徴的な石灰化像を示すことで知られる.その生成には胆嚢管または頸部の閉塞が必要で,通常は胆嚢内にしかみられないが,ごくまれに総胆管内にもみられる.自験例は嵌頓結石とともに総胆管へ石灰乳胆汁が流出したと思われる症例で,本邦報告21例を検討し報告する.