著者
椿本 貴昭 岩崎 正一郎 瑞森 崇弘 中村 隆志 高島 史男
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.494-503, 2001-08-10
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

目的: 咀嚼の側性を客観的かつ定量的に評価する方法として, 左右側を指定しない自由咀嚼運動の左右側ストローク数より非対称性指数 (Asymmetry Index, 以下AI) を算出する方法を用い, 方法の妥当性, さらには食品による変化, 日間変動について検討することである.<BR>方法: 被験者として健常有歯顎者10名を選択し, チューイング・ガム, カマボコ, グミ・ゼリー, タクアン, スルメ, ピーナッツ, ジャイアント・コーンの計7種類を被験食品に用いた. 被験者に左右側を指定しない20秒間の自由咀嚼運動を行わせ, 左右側のストローク数を視覚的に数え, AIを算出した. 記録は各種食品1日1回, 1週間ごとに計3回行った.<BR>結果:(1) 左右側ストローク数からAIを算出することにより, 咀嚼の側性を定量的に表現できた.(2) 咀嚼の側性を捉える目安として, 3日間のAIの中央値, 範囲から, 各被験者を片側咀嚼型 (U型), 両側咀嚼型 (0型), 不定側咀嚼型 (V型) の3型に分類できた.(3) 軟性食品では0型が, 硬性食品ではU型が多い傾向があったが, 軟性食品内あるいは硬性食品内での性状による差は認められなかった.<BR>結論: 本実験で用いた咀嚼の側性の評価方法は客観的かつ定量的方法であり, 咀嚼の側性は各被験者において特徴的で, 食品の硬性により影響を受ける可能性が示唆された.
著者
西本 公紀 高島 史男 多田 純夫 宮内 修平 堤 定美 丸山 剛郎
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.819-829, 1987-08-01
被引用文献数
12

歯冠修復物に対する審美的な要求は, 年々高まってきている. これに呼応して, 種々の材料が開発されており, その1つとして, キャスタブル・ガラス・セラミックスがある. ガラス・セラミックについては, 物性等は明らかになってきている. しかし, 臨床的な破折実験等も少なく, また力学的解析もほとんど行われていないのが, 現況である. 本論文は, コーニンググラスワーク社とデンツプライ社の共同開発による'DICOR'について, 力学的な検討を行った報告である. すなわち, 有限要素法を用い, 咬合力が正常または異常に補綴物に作用した状態を想定し, 応力解析を行い, 破折, 脱離等の可能性の有無について検討した.
著者
片山 隆 宅間 雅彦 森本 清 中村 征四郎 高島 史男 丸山 剛郎
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.191-196, 1990-02-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
10

In order to evaluate the effect of titanium diameter on reinforcement of titaniumhydroxyapatite implant and calculate the diameter of the implant under loading, stress analysis was performed using the finite element method. In finite element model, 100% or 70% of root length was supported by PMMA in place of bone and the implant was loaded 15 kgf at 45° of the implant axis.The results were obtained as follows, 1. In the case of 100% support, the titanium diameter had little effect on the reinforcement of the implant, whereas in the case of 70% support, it had much effect.2. The diameter of this implant was calculated to be more than 3.7mm under loading.From these results and the view point of manufacturing techniques, the diameter of this implant was supposed to need 4.0mm and that of titanium was to be 2.0mm.