- 著者
-
小田 忠雄
高木 泉
石田 正典
西川 青季
砂田 利一
森田 康夫
板東 重稔
新井 仁之
堀田 良之
- 出版者
- 東北大学
- 雑誌
- 基盤研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 1995
本研究の目的および実施計画に沿って,研究代表者,研究分担者および研究協力者は,多様体に関する数理科学的諸問題を次のように研究した.1. トーリック多様体を代数幾何・代数解析・微分幾何の見地から研究し,交差コホモロジー,トーリック多様体への正則写像,トーリック・ファノ多様体の分類および複素微分幾何学的計量に関して新知見を得た.2. 多様体を数論・数論的幾何の見地から研究し,アーベル曲面等の有理点の分布,2次元エタール・コホモロジーに関するテート予想,クリスタル基本群・p進ホッジ理論に関して新知見を得た.3. 非アルキメデス的多様体の代数幾何学的研究を行い,剛性に関する新知見を得た.4. 可微分多様体,リーマン多様体,共形平坦多様体の大域解析的性質,双曲幾何学的性質,基本群の離散群論的性質を研究して数々の新知見を得た.5. 多様体上のラプラシアンやシュレーディンガー作用素のスペクトルの,量子論・準古典解析的研究および数理物理的研究を行うとともに,グラフに関する類似として離散スペクトル幾何に関しても興味深い数々の結果を得た.6. 生物等の形態形成を支配すると考えられる反応拡散方程式等の非線形偏微分方程式系を多様体上で大域的に研究し,安定性に関する新知見を得た.7. ケーラー多様体上のベクトル束の代数的安定性とアインシュタイン・エルミート計量に関する複素幾何学的研究を行い,いくつかの新知見を得た.8. 擬微分作用素・極大作用素・有界線形作用素・作用素環等を実解析・複素解析・フーリエ解析的側面から研究し,数々の新知見を得た.