著者
窪田 愛恵 伊藤 栄次 髙橋 直子 井上 知美 大鳥 徹 小竹 武 西内 辰也 平出 敦
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.6-13, 2019-02-28 (Released:2019-02-28)
参考文献数
13

目的:薬局・薬店もしくは薬剤師が関与し救急車が出動したケースを検討し,薬局・薬店における救急対応のニーズに関して検討した。方法:大阪市消防局の救急活動記録から,薬局・薬店もしくは薬剤師が関与した救急要請のあった事例を抽出して検討した。結果・考察:薬局・薬店が関連した事例は6年間で1,075件であった。救急要請の原因としては,774例が内因性で,全身倦怠感,失神,腹痛,痙攣,呼吸困難が多かった。このうち意識レベルに問題を生じたケースは183例あった。外因性は250件で,転倒に伴う打撲,挫創,骨折が多かった。病院外心停止の事例も10件報告されていた。結論:薬局・薬店では基礎疾患を有して複数の薬剤を常用している高齢者が数多く薬局・薬店を訪れるが,内因性の救急病態とともに,転倒に伴う損傷にも対応できる必要がある。一次救命処置ができる体制も重要である。
著者
阿登 大次郎 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 井上 知美 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 八代 哲也 大原 隆司 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.2020-033, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究は,処方解析報告書を連携ツールとした薬局病院合同教育プログラムが,実習生の処方解析能力にどのような影響を与えたかについて検証することを目的とした.処方解析報告書は,採択理由などを含む4つの大項目で構成された書式を作成した.実習生は本報告書を週1例以上提出し,実習開始1,6,11週目に報告書の内容と自身の考察を発表した.提出された報告書と発表内容に対して評価チームの薬剤師および大学教員がルーブリックを用いて評価した.実習生の報告書と発表に対する評価結果および実習後アンケートの結果から,実習11週目には,1,6週目と比べてルーブリックの全項目が有意に向上し,特に疾患を意識した症例選択能力が向上したと考えられた.また,アンケート調査から,実習生が本プログラムにより自身の成長を実感していることが明らかになったが,発表会後のフィードバック方法に今後の課題が見出された.
著者
井上 知美 八重樫 柊穂 久川 隆造 石渡 俊二 野々木 宏 小竹 武
出版者
Japan Disaster Medicine Education and Training association
雑誌
Journal of Clinical Simulation Research (ISSN:2433054X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.19-24, 2017 (Released:2022-11-18)
参考文献数
7

1人1体のマネキンを使用した「アメリカ心臓協会(AHA)ファミリー&フレンズコース」を実施し,心肺蘇生(CPR)手技測定システムにより胸骨圧迫手技を評価した。胸骨圧迫について実習後有意に手技が向上した(平均深さ 前:43.22±10.8mm,後:50.5±7.2 mm,p<0.05)。実習前後ともに,「適切な手の位置」および「完全な圧迫解除」の実施率は,女性において有意に実施率が高かった(p<O.05)。「適切な深さ」での実施率,胸骨圧迫の平均深さおよび平均テンポについては実習前後ともに男性の実施率が高く,深さ,テンポについても女性より有意に深く,早いことが認められた(p<O.05)。胸骨圧迫の平均テンポと平均深さを3群に分類した割合を検討した結果,実習前の女性についてのみ有意差が認められ(p<O.05),胸骨圧迫のテンポが早い群が,深さが深い傾向となった。実習実施により手技の向上が示されたが,胸骨圧迫において平均深さが50mm未満である女性が57.1%認められたことから,体力的な要因も考慮した圧迫手技の習得可能な実習内容の検討が必要と考えられた。今後,ガイドラインの変更点を強調した実習内容での手技の習得の検討をするとともに,手技の評価検証方法や,手技の維持について再トレーニングの時期の検証をする必要があると考える。
著者
稲葉 一訓 本多 公貴 大竹 裕子 岡本 紀夫 下村 嘉一 小竹 武 長井 紀章
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.93-99, 2020-02-10 (Released:2021-02-10)
参考文献数
6

We proposed an in vitro test based on pH changes in ophthalmic solutions with the addition of lacrimal buffer, and examined anti-allergic ophthalmic solutions (acitazanolast hydrate, amlexanox, epinastine hydrochloride, ketotifen fumarate, levocabastine hydrochloride, olopatadine hydrochloride, pemirolast potassium, sodium cromoglycate, and tranilast) and anti-glaucoma ophthalmic solutions (brimonidine tartrate, carteolol hydrochloride, dorzolamide hydrochloride, isopropyl unoprostone, pilocarpine hydrochloride, timolol maleate, and travoprost) by using the in vitro test. Resistance to the lacrimal buffer capacity of ketotifen ophthalmic solution was higher than that of the other anti-allergic ophthalmic solutions tested. Among anti-glaucoma ophthalmic solutions, resistance to the lacrimal buffer capacity of the isopropyl unoprostone and dorzolamide ophthalmic solutions was higher than that of the other ophthalmic solutions tested. We also found relationships between ophthalmic additives and the pH-buffering effect in ophthalmic solutions, and demonstrated that D-mannitol, which is an ophthalmic additive, resisted the pH-buffering effect in artificial tears. Furthermore, high resistance was observed to the lacrimal buffer capacities of ophthalmic solutions with D-mannitol. These results will contribute to further studies aimed at reducing irritation caused by ophthalmic solutions.
著者
阿登 大次郎 井上 知美 八代 哲也 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.2020-064, 2021 (Released:2021-07-29)
参考文献数
5

COVID-19の拡大により,薬学実務実習中の症例解析報告会を集合形式からオンライン形式へと移行した.本報告では,オンライン形式の症例解析報告会の概要について紹介する.さらに,アンケート調査から明らかとなった報告会の有益性と問題点について議論する.オンライン報告会は,実習6週目と11週目に大阪鉄道病院から,実習生,評価担当者をZoom®で接続して実施した.83%の参加者は,参加の容易さ,時間的な利点などの理由でオンライン報告会を肯定していた.一方,一部の参加者は,集合研修での臨場感や参加者間のコミュニケーションが不十分な点から否定的であった.オンライン形式での開催は,病院-薬局-大学間で協働での教育ツールとして非常に有効な手段であると考えられる.しかし,参加者が如何に集合形式での雰囲気を作り出せるかなど課題解決が必要であることが示唆された.
著者
小竹 武 松本 優里香 塚本 あゆみ 井上 知美 石渡 俊二 草薙 みか 坂野 千賀 大里 恭章 伊藤 吉將 長井 紀章
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.786-792, 2015-11-10 (Released:2016-11-10)
参考文献数
6

We investigated whether the component in cataplasm transmitted into hemorrhoid ointment in the combined storage of hemorrhoid ointment and non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) cataplasm. The NSAIDs cataplasm was used as a commercially available methyl salicylate (MS reishippu “TAIHO”, MS cataplasm) and indomethacin (Catlep®, IMC cataplasm) cataplasm. In addition, the hemorrhoid ointment was in a polyethylene container with (Neriproct® ointment, DFV-L ointment) or without aluminum laminate (Posterisan® forte, HC ointment). As for the methyl salicylate, 5.68 mg / pieces in HC ointment were detected at 40 weeks of combined storage with MS cataplasm. The methyl salicylate concentration in DFV-L ointment was lower than that in HC ointment under the same conditions. On the other hand, no contamination of indomethacin in HC and DFV-L ointment was observed in the combined storage with IMC cataplasm. These results show that the methyl salicylate in cataplasm passed the polyethylene container, and provide significant information on the risk of contamination by the combined storage of cataplasm and hemorrhoid ointment.

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著者
班固 [撰] 小竹武夫訳
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
1977
著者
小竹 武 新井 仁之 板東 重稔 伊藤 秀一 高木 泉 加藤 順二 小野 薫
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

多様体上の解析学としての大域解析が包括する研究対象は多岐にわたる。本研究では、種々の偏微分方程式の解構造の研究、力学系、関数微分方程式の摂動と安定性の研究、非線型解析の微分幾何学、数理物理学への応用等、解析学と幾何学、数理物理学との境界領域での研究の進展をはかるとともに、これら研究における解折手段として重要な調和解析および作用素の理論等の深化につとめた。以下、本研究において得られた新たな知見、成果の概要を記す。1. 偏微分方程式論に関するものとして、一般な正値ポテンシャルをもつシュレディンガ-作用素に対する固有値の漸近分布についての結果、およびリ-マン多様体上の熱方程式に対するヴィダ-型一意性定理の証明、更に、楕円型作円用素論の幾何学への対用として、ディラック作用素族の芸変指数についての研究、正則ベクトル束の除去可能特異点についての研究等が挙げられる。2. 力学系の分野では、可積分なハミルトン正準方程式系の特異点近傍での標準型への還元に関する研究、一方、遅れをともなう関数微分方程式に対する大域解の存在、安定性についての研究等がある。3. 非線型解析に関しては、拡散・反応方程式系について解の詳しい幾何学的研究がなされ、パタ-ン形成や将異点発生等について興味ある結界が得られた。4. 調和解析では、強擬凸領域上の〓〓調和関数の境界挙動に関するファトゥ型定理の証明がある。 2、作用素環の順序構造と正則完備化の構造との関係について新しい知見が得られた。5. バ-クマン核の研究では、領域がラインハルト領域のとき、核のトレ-スと境界のチャ-ン・モ-ザ-不変多項式との関係が明確化され、その応用として、複素球の大域的特徴づけが示された。