著者
高橋 俊二
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.145-150, 2016 (Released:2016-11-24)
参考文献数
24

甲状腺髄様癌はC細胞(カルシトニン産生細胞)から発生する希少癌であり,家族性(MEN2)と散発性があるが,殆どでRET遺伝子の変異が認められる。主に変異RET遺伝子と血管新生を標的とした分子標的薬の開発が進んできている。バンデタニブは,海外の第3相試験でPFSの有意な延長,奏効率45%,国内第1/2相試験で奏効率38.5%が得られた。おもな有害事象は下痢,高血圧,発疹,間質性肺疾患であった。レンバチニブは海外の第2相試験で奏効率36%,国内の第2相試験では奏効率22%が得られ,主な有害事象は高血圧,食欲不振,手足症候群,疲労,蛋白尿であった。ソラフェニブは海外の第2相試験で奏効率6.3%,国内では奏効率25%,有害事象は手足症候群,高血圧などだった。この3剤が2015年から2016年にかけて承認された。髄様癌に対する分子標的治療はプラセボに比較して生存期間に有意差が認められていないこともあり,進行が急速あるいは有症状の症例に対する治療選択肢として考えるべきである。
著者
近藤 裕昭 有沢 雄三 鵜野 伊津志 尾形 和彦 木村 富士男 斉藤 朝夫 鈴木 基雄 高橋 俊二 中西 幹郎 中埜 幸宏 水野 建樹 安楽岡 顕 吉門 洋 劉 発華 若松 伸司
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.751-760, 1994-11-30
参考文献数
18
被引用文献数
9

気象研究所,東北大学,国立環境研究所,資源環境技術総合研究所でそれぞれ運用されている局地循環モデルの相互比較実験を,昼間の二次元の海風を対象として行った.地表面の熱的な境界条件を地表面温度で与え,午前6時をスタートとする正弦関数とした.各モデルの固有の接地境界層のモデル化から顕熱輸送量を決定するCASE1と,顕熱輸送量をC_hUΔθで統一的に与えるCASE2の二種類の計算を行ったところ,海風の発達についてCASE1では一致した結果にはならなかったのに対し,CASE2では海風循環の大きさと強さ,地上風速,海風発達後の海風前線の位置について一致した結果が得られた.これより,昼間の海風の発達には地表面からの顕熱輸送量が重要で,これが適切に与えられれば計算された海風の主要な特徴については各モデルで一致することがわかった.
著者
野川 俊彦 ジャン ジュンピル 本郷 やよい 清水 猛 岡野 亜紀子 二村 友史 高橋 俊二 アン ジョンセオ 長田 裕之
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2014

<p>放線菌や糸状菌をはじめとする微生物は、多様な構造と活性を有する二次代謝産物を生産することで知られている。それら二次代謝産物は、医薬品や農薬またはそのリード化合物として利用されているものが多い。さらにケミカルバイオロジー研究における生命現象解明のための有用なツール、すなわちバイオプローブとして利用されているものもある。<sup>1</sup>これら代謝産物を効率よく探索・単離するために、我々の研究室ではフラクションライブラリーとスペクトルデータベースを用いる方法を構築し利用している。<sup>2</sup>フラクションライブラリーは、微生物培養液をHPLCや中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)により系統的に分画することで作製し、得られたフラクションをPDA-LC/MSにより分析することでデータベースを構築している。データベースは、代謝産物の物性を二次元上の分布として表現したNPPlot(Natural Products Plot)を作成し利用している。今までに、このNPPlotを活用することで特徴的な構造を有する新規化合物を発見・単離してきた。<sup>3</sup>さらに昨年度の本大会において、複数の菌株より作成したNPPlotの分布パターンの比較による新規化合物の探索と単離について報告した。<sup>4</sup>今回、放線菌Streptomyces sp. RK85-270のフラクションライブラリーより作成したNPPlotの分布パターンから菌株特有の化合物群の探索を行い、2種の新規環状デプシペプチド1および2(図1)を見出すことができたので、それらの単離・構造決定について報告する。</p><p>図1.新規環状デプシペプチド1および2の構造</p><p>【微生物代謝産物フラクションライブラリーの作製】</p><p>放線菌Streptomyces. sp. RK85-270の30 L培養液に等量のアセトンを加え撹拌抽出後、吸引ろ過により菌体を除去し含水アセトン抽出液を得た。減圧下でアセトンを留去し、残った水懸濁液を酢酸エチルにより分配することで有機溶媒可溶性画分と水溶性画分を調製した。有機溶媒画分を減圧濃縮することで抽出物37.2 gを得た。このうち28.7 gをシリカゲル順相MPLCにより、クロロホルム/メタノールのステップワイズ溶出を用いて8分画とした。それぞれを逆相HPLCにより移動相にアセトニトリル/0.05%ギ酸水のグラジエント溶出を用いて一定時間で分画することでフラクションを作製した。水溶性画分は、DIAION HP-20によりメタノールに可溶なものを抽出後、得られたメタノール可溶性画分を逆相MPLCによりメタノール/水を移動相として分画することでフラクションを作製した。以上の方法で約400フラクションを作製した。各フラクションをPDA-LC/MSにより分析し、含有成分のUV吸収およびマススペクトルの収集を行い、成分情報の付加したフラクションライブラリーとした。</p><p>図2.放線菌RK85-270のNPPlotと特徴的分布を示した領域の拡大および</p><p>それら化合物のUV吸収スペクトル</p><p>【スペクトルデータベースNPPlot(Natural Products Plot)の作成】</p><p>PDA-LC/MS分析より得られたUV吸収およびマススペクトルデータをもとに化合物探索に利用するためのスペクトルデータベースを作成した。一般的なスペクトルデータベースに加え、研究室オリジナルのデータベースNPPlot</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>