著者
高橋 聡子 岩井 輝男 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1050-1057, 1997-05-15
参考文献数
14

リスト処理プロセスとGCプロセスを同時に複数動作させることによって,リスト処理を並列化することによる処理時間の短縮が可能になった.しかし,セルの消費のペースはアプリケーションによって異なり,CPUの数も計算機によって異なるので,リスト処理プロセスの最適な数はアプリケーション,計算機によって異なると考えられる.本稿では,セルの消費速度やフリーセルの残量によってリスト処理プロセスとGCプロセスのCPU割当てを動的に決定する機能により,Lispの代表的なアプリケーションに対し,処理速度と実時間性とのバランスのとれた処理を行うことを可能とする並列Lispシステムの報告を行う.本システムの実装にあたっては,できるだけリスト処理の中断が生じることがなく,リスト処理に最大数のCPUが割り当てられるようCPU割当てのパラメータを設定し,CPU割当てを動的に決定した.その結果,リスト処理の中断がなくなり実行時間が短縮された.Parallel lisp system with parallel garbage collection(GC)can produce improvements in throughput by executing list processing in parallel.But,the optimal number of list processes and GC processes depends on machines and applications because the number of processors on a machine and cells which are consumed by various applications is different.In this paper,we report parallel lisp system which makes it possible to balance throughput and real time performance by dynamic allocation of CPU depending on speed of consuming cells and the number of remaining free cells.We dynamically changed CPU allocation according to the parameter which was set to avoid a disruption of list processing and allocateas many CPU as possible to list processing.Consequently,our system yielded improvements in throughput without any disruption of list processing.
著者
山根 裕司 山本 泰雄 菅 靖司 当麻 靖子 鈴木 由紀子 川越 寿織 澤口 悠紀 高橋 聡子 手倉森 勇夫 山村 俊昭 谷 雅彦 中野 和彦
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
日本理学療法学術大会 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.C0010-C0010, 2005

【目的】北海道サッカー協会では、優秀選手の発掘と育成、全道の選手・指導者の交流、選手・指導者のレベルアップ、トレーニングセンター制度の充実・発展を目的に、サッカー北海道選抜U-18合宿を行っている。我々は2001年から合宿に帯同し、メディカルサポートを行っている。今後の合宿におけるサポートの充実のため、4年間の活動内容について発生部位、疾患、処置内容の分析を行った。<BR><BR>【方法】対象は2001~04年に行われたサッカー北海道選抜U-18合宿。参加登録者は4年間で延べ900名(15~18才)であった。毎年7月上旬に4日間にわたって行われた。内容はトレーニング及び1日1~2回の試合を行った。メディカルスタッフは医師2名、理学療法士2名、看護師4名である。合宿初日に医師、理学療法士が講義を行い、傷害予防の啓蒙活動を行った。スタッフは練習中ピッチサイドに待機し、発生した傷害に対して診断や治療、希望者に対するコンディショニング指導を行った。<BR><BR>【結果】4年間で延べ293名(33%)の選手に367件の傷害が発生し、784回の治療を行った。部位は足関節・足部35%、膝関節22%、大腿11%、下腿7%、股関節5%と下肢が8割を占めた。内訳は外傷65%、障害29%、その他6%であった。外傷では打撲38%、捻挫38%、筋腱損傷10%であった。障害では、筋腱炎が57%と最も多く、次いで腰痛13%であった。処置はRICE処置が37%、テーピング24%、ストレッチ指導16%、投薬11%であった。救急車搬送3例(下顎骨骨折1例、熱中症2例)で、1ヶ月以上試合出場不可能な重症例は4例(下顎骨骨折、撓骨遠位端骨折、肘関節脱臼、前十字靭帯損傷各1例)発生した。4日間の期間中、処置件数は3日目が42%と最も多く、2日目30%、1日目と4日目が各14%であった。また各年度別の傷害発生件数は、2001年は外傷51件、傷害24件、2002年は外傷59件、傷害28件、2003年は外傷79件、傷害35件、2004年は外傷47件、傷害22件であった。<BR><BR>【考察】4年間の合宿において、重症例は少なく、傷害悪化例はなかった。これは現場で受傷直後から治療が出来たこと、一日数回の診察と治療を行えたこと、的確な練習復帰の指示が行えたこと、合宿初日に行った傷害予防の講義による啓蒙活動などの効果であると思われた。実際、初期症状のうちに治療に訪れる選手が多く、選手のコンディショニングの意識は高いと感じた。傷害の重症度によっては理学療法士によるテーピングやストレッチ指導などの処置を行ってプレーを続行させた。しかし傷害を悪化させた選手はいなかった。どこまでの時間や負荷の練習が出来るかの傷害レベルについて指導者とうまく連携できたことと、ピッチサイドにてプレーを観察できたことが要因であると考える。
著者
池添 由技子 高橋 聡子 伊藤 則博
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.33-42, 1990-03-12

この研究は,調査を通じて北海道の障害児保育の実情と課題を明らかにし,子どもとその周りの全ての者が「共に育つ」には,どのような条件と方策が必要とされるのかについて考察することを目的とした。対象は,現在,障害児が在籍していると思われる北海道の幼稚園と保育園406園としたが,回収は316園,うち障害児は在籍228園,対象児童251名を今回の分析資料とすることができた。調査内容は大別して次の4点である。(1)受け入れ状況と園の体制,(2)保育内容と方法,(3)親・地域・専門機関との関わり,(4)保育者の考えと意識主な調査結果は次の通りであった。(1)保育形態では統合保育が多く,障害児の参加の仕方を工夫して保育している。(2)指導目標として基本的生活習慣・社会性が重点となっている。(3)統合保育による影響については,健常児は仲間を大切にする気持ち,障害児にとっては,他児への関心や模倣の現れがあげられた。(4)保育を行っていく上で健常児の親の理解が必須である。(5)保育方針に一貫性をもつためにも障害児の親,及び専門機関との十分な話し合い・連携が重要である。(6)統合保育の効果を認めるとともに,他方で疑問や現在の保育が不十分という回答もかなりあった。さらに,今後の課題として(1)障害児保育制度の確立,(2)障害児保育への財政的支援,(3)保育者の研修の機会とその必要性,が強調された。今後は,個々の事例に即して保育内容と方法を実践的に確かめていくことが課題となる。