著者
山本 泰雄
出版者
日本福祉大学大学院
雑誌
日本福祉大学大学院福祉社会開発研究 = The Study of Social Well-Being and Development, Nihon Fukushi University Graduate schools (ISSN:24362018)
巻号頁・発行日
no.16, pp.11-20, 2021-03-01

本研究は,高齢者の社会活動に向けた支援を検討する為の一研究とし,参加パターンとSense of coherence(SOC)との関連を明らかにすることを目的とした.要支援・軽度要介護者110名を対象に, SOCスケールと構造化面接を実施し,類型化した参加パターンとSOCとの関連を分析した.結果,参加パターンは継続群,再開群,不参加移行群,不参加継続群の4つの基準で分類され,不参加継続群以外でSOC下位因子間での差が有意に認められた.また,処理可能感では,不参加継続群よりも継続群と再開群が,有意味感では,不参加移行群,不参加継続群よりも継続群,再開群が有意に高い結果が得られた.要支援・軽度要介護者の社会活動促進に向けてSOCなかでも「処理可能感」「有意味感」を高める支援が有効である可能性が示唆された.
著者
伊藤 実樹子 山本 泰雄 菅 靖司 当麻 靖子 鈴木 由紀子 川越 寿織 山田 摩美 重田 光一 黒川 宏伸 酒巻 幸絵 澤口 悠紀 山村 俊昭 中野 和彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.466, 2003

【はじめに】日本スポーツマスターズの第一回大会が2001年9月に行なわれた。本大会は中高年の競技レベルの全国大会である。その予選大会である北海道四十雀サッカー大会そして五十雀および六十雀サッカー大会に、我々は救護班として参加する機会を得ている。今回、中高年サッカー競技における傷害の特徴を知ることを目的に、北海道大会における傷害状況をまとめ、若干の考察を加えたので報告する。【対象と方法】対象は2001年7月及び2002年7月に開催された北海道四十雀(40歳以上)・五十雀(50歳以上)・六十雀(60歳以上)サッカー大会全65試合の参加登録者、延べ1458名である。各試合会場のピッチサイドに医師と理学療法士が控え、試合中に発生した傷害の診断と初期治療を行い、その内容を記録した。記録内容の中から、疾患名・受傷部位・重症度・受傷状況・処置について検討した。【結果】全65試合において、傷害は35件発生した。内訳は四十雀39試合中28件(0.6件/試合)、五十雀18試合中6件(0.3件/試合)、六十雀8試合中1件(0.1件/試合)であった。傷害別では筋腱損傷16件、創傷7件、靭帯損傷5件、打撲4件、骨折1件、脳震盪1件、腰痛1件と筋腱損傷が最も多かった。部位別にみると頭部6件、上肢2件、体幹2件、下肢25件と下肢が最も多く、その内訳は大腿6件、膝3件、下腿13件、足部・足関節3件であった。試合続行不可能な重症例が35件中32件と91%をしめ、4件は救急車で病院搬送を行った。主な疾患を挙げると、肉離れ9件、アキレス腱断裂、腓骨開放骨折、脳震盪、左環指PIP関節脱臼がそれぞれ1件であった。受傷状況は接触が11件、非接触が24件と非接触が7割を占めた。処置ではアイシング、テーピング、ストレッチなど、約半数で理学療法士が関与した。【考察】中高年の競技レベルの大会においては、傷害発生総数は多くはないものの、重症疾患の発生が多いのが特徴的であった。高校サッカー大会の傷害調査(鈴木ら、2001)に比べて、発生総数は1/3であったが、試合続行不可能な重症疾患に限ると約6倍の発生頻度であった。今後もデータを蓄積するとともに、重症疾患の発生予防対策が急務と思われた。一方、本大会では競技時間が四十雀大会で計50分、五十雀、六十雀では計40分と短く、しかも20名の登録選手全員が主審の許可を得て交代することができ、一度ベンチに退いた後も再び試合に出場できるルールがあり、選手の負担が軽減される工夫がもりこまれている。よって、選手がベンチに退いている間に理学療法士がストレッチやテーピングをすることで、傷害発生を予防し、競技の継続を支援することが可能となる。今後、選手達へよりよいサポートを提供できるように経験を積み重ね,検討を加えていきたい。
著者
山根 裕司 山本 泰雄 菅 靖司 当麻 靖子 鈴木 由紀子 川越 寿織 澤口 悠紀 高橋 聡子 手倉森 勇夫 山村 俊昭 谷 雅彦 中野 和彦
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
日本理学療法学術大会 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.C0010-C0010, 2005

【目的】北海道サッカー協会では、優秀選手の発掘と育成、全道の選手・指導者の交流、選手・指導者のレベルアップ、トレーニングセンター制度の充実・発展を目的に、サッカー北海道選抜U-18合宿を行っている。我々は2001年から合宿に帯同し、メディカルサポートを行っている。今後の合宿におけるサポートの充実のため、4年間の活動内容について発生部位、疾患、処置内容の分析を行った。<BR><BR>【方法】対象は2001~04年に行われたサッカー北海道選抜U-18合宿。参加登録者は4年間で延べ900名(15~18才)であった。毎年7月上旬に4日間にわたって行われた。内容はトレーニング及び1日1~2回の試合を行った。メディカルスタッフは医師2名、理学療法士2名、看護師4名である。合宿初日に医師、理学療法士が講義を行い、傷害予防の啓蒙活動を行った。スタッフは練習中ピッチサイドに待機し、発生した傷害に対して診断や治療、希望者に対するコンディショニング指導を行った。<BR><BR>【結果】4年間で延べ293名(33%)の選手に367件の傷害が発生し、784回の治療を行った。部位は足関節・足部35%、膝関節22%、大腿11%、下腿7%、股関節5%と下肢が8割を占めた。内訳は外傷65%、障害29%、その他6%であった。外傷では打撲38%、捻挫38%、筋腱損傷10%であった。障害では、筋腱炎が57%と最も多く、次いで腰痛13%であった。処置はRICE処置が37%、テーピング24%、ストレッチ指導16%、投薬11%であった。救急車搬送3例(下顎骨骨折1例、熱中症2例)で、1ヶ月以上試合出場不可能な重症例は4例(下顎骨骨折、撓骨遠位端骨折、肘関節脱臼、前十字靭帯損傷各1例)発生した。4日間の期間中、処置件数は3日目が42%と最も多く、2日目30%、1日目と4日目が各14%であった。また各年度別の傷害発生件数は、2001年は外傷51件、傷害24件、2002年は外傷59件、傷害28件、2003年は外傷79件、傷害35件、2004年は外傷47件、傷害22件であった。<BR><BR>【考察】4年間の合宿において、重症例は少なく、傷害悪化例はなかった。これは現場で受傷直後から治療が出来たこと、一日数回の診察と治療を行えたこと、的確な練習復帰の指示が行えたこと、合宿初日に行った傷害予防の講義による啓蒙活動などの効果であると思われた。実際、初期症状のうちに治療に訪れる選手が多く、選手のコンディショニングの意識は高いと感じた。傷害の重症度によっては理学療法士によるテーピングやストレッチ指導などの処置を行ってプレーを続行させた。しかし傷害を悪化させた選手はいなかった。どこまでの時間や負荷の練習が出来るかの傷害レベルについて指導者とうまく連携できたことと、ピッチサイドにてプレーを観察できたことが要因であると考える。
著者
井上 有美子 山本 泰雄 加藤 純代 中里 哲夫 越前谷 達紀 依田 有八郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.433-436, 1995
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究は,前腕の固定角度による日常生活動作の難易度を明確にするため,健常成人24名を対象に前腕の肢位を固定し4種目の日常生活動作の難易度を自己評定させた。測定は前腕を回内60度,30度,中間位,回外30度,60度,90度の計6肢位とし,各々の固定角度にて書字動作,食事動作,洗面動作,トイレ動作を行った。さらに,その時の肘関節の影響についても調査した。結果,書字動作は回内位主体の動作であり回内30度が動作容易であった。他の3動作は,回外位主体の動作であり回外30度,回外60度が動作容易であった。4動作間の肘関節運動は異なるが,各動作の前腕回旋固定角度による肘関節運動への影響は,認められなかった。