著者
小川 修史 藤井 祐次 掛川 淳一 高野 美由紀 森広 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.217-220, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
2

筆者らはこれまでに行動要因の分析を目的としたケース会議支援システムを提案している.システムを経験の浅い教師に適用したところ,行動要因に関連した気づきが議論を通して発生する一方で,議論する事前に実施される個別作業の際に,行動要因を客観的に分析することが難しく,これらを支援することでより効率的に気づきが発生すると考えた.そこで,行動要因とストレスの対応関係に注目し,アノテーションをストレスの観点で分析させることで,個別の作業であっても行動要因の客観的な分析が可能となると考えた.この仮説に基づき実装したストレス可視化機能を用いて予備調査を実施した結果,仮説が有効である可能性が示唆された.
著者
高野 美由紀 有働 眞理子
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.75-84, 2010-07-31

養護学校においてオノマトペ(擬音語・擬態語)を含む教師発話がどのような教育的効果をもたらす行為(教育的行為)として機能するのかを明らかにし、教育的行為とオノマトペの意味的および音韻的特徴との関連について考察した。オノマトペを含む教師発話57発話、その発話に含まれるオノマトペ43タイプを分析対象とした。オノマトペを含む教師発話の教育的行為を抽出したところ、指示(個人向け)、応援、説明(解説)の順に頻度が多かった。指示(個人向け)の発話には、動きを表現する1モーラ語基のオノマトペを含み、応援の発話は、繰り返しのオノマトペが児童の身体動作に沿って使用されているものが多く、教師発話の教育的行為と、その発話に含まれるオノマトペの表現形式との関連性が示唆された。オノマトペの使用状況や効果をより客観的な方法により把握し、分析することで、特別支援教育におけるオノマトペの効果的な活用を普遍化しうるであろう。
著者
有働 眞理子 高野 美由紀
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

特別支援学校の授業で教師が発話するオノマトペ表現においては、運用時の韻律とリズムが身振りや動作と連動することが発信効果を高め、教育的発話意図が効果的に知的障害児童に伝わり、教師-児童間の対話が促進されることがわかった。