著者
永田 亮 河合 綾子 須田 幸次 掛川 淳一 森広 浩一郎
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_51-2_65, 2010 (Released:2011-06-23)
参考文献数
22

自然言語処理や言語学においてコーパスは重要な役割を果たすが,従来のコーパスは大人の文章を集めたコーパスが中心であり,子供の文章を集めたコーパスは非常に少ない.その理由として,子供のコーパスに特有の様々な難しさが挙げられる.そこで,本論文では,子供のコーパスを構築する際に生じる難しさを整理,分類し,効率良く子供のコーパスを構築する方法を提案する.また,提案方法で実際に構築した「こどもコーパス」についても述べる.提案方法により,81人分(39,269形態素)のコーパスを構築することができ,提案方法の有効性を確認した.この規模は,公開されている日本語書き言葉子供コーパスとしては最大規模である.また,規模に加えて,「こどもコーパス」は作文履歴がトレース可能であるという特徴も有する.
著者
小川 修史 藤井 祐次 掛川 淳一 高野 美由紀 森広 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.217-220, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
2

筆者らはこれまでに行動要因の分析を目的としたケース会議支援システムを提案している.システムを経験の浅い教師に適用したところ,行動要因に関連した気づきが議論を通して発生する一方で,議論する事前に実施される個別作業の際に,行動要因を客観的に分析することが難しく,これらを支援することでより効率的に気づきが発生すると考えた.そこで,行動要因とストレスの対応関係に注目し,アノテーションをストレスの観点で分析させることで,個別の作業であっても行動要因の客観的な分析が可能となると考えた.この仮説に基づき実装したストレス可視化機能を用いて予備調査を実施した結果,仮説が有効である可能性が示唆された.
著者
永田 智子 鈴木 真理子 稲垣 成哲 森広 浩一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Suppl., pp.161-164, 2008-02-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
4
被引用文献数
4

現職教師がデジタル・ティーチング・ポートフォリオを作成する活動とそのためのブログ環境を設定し,実践,評価した.実践では4名の現職教師が理科の授業についてブログに書き込みを行った.実践に参加した現職教師へ行ったインタビューから,本ブログ環境はおおむね使いやすいものであり,活動は授業の振り返りに役立つことがわかった.それに加えて,教師が実践や振り返りを継続するために,「日々のデータの蓄積」「蓄積されたデータの再利用」「他教師との比較による刺激」「実践継続の励み」「課題の提示」という機能が必要であり,ブログ環境や支援活動に組み込む必要があることがわかった.
著者
小川 修史 田中 昌史 掛川 淳一 森広 浩一郎
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3-14, 2012-02-10

継時的な比較による児童の変容把握を目的として,小規模校では長期間にわたり継続して比較的短い文書を児童らに記述させる形式の実践が多く行われている.このような実践においては,教師はある時点の文書と自己の児童に関する記憶を比較することで児童の変容を把握していくが,児童数が少なくても長期間にわたり蓄積されていく文書であるため,教師の負担は大きく,記憶内容を忘却あるいは誤認識してしまう可能性がある.そのため,長期間蓄積された文書の分析を支援する仕組みが有用であると考えられる.そこで,本研究では教師に文書集合の特徴的な表現を提示し,それらの表現を手掛かりに文書を分析していく枠組み,つまりテキストマイニング導入のための検討を行っている.本稿では小規模校における継続的な実践で蓄積された文書集合を学期毎にテキストマイニングし,比較することにより抽出された特徴表現の有用性について検討する.
著者
永田 智子 鈴木 真理子 森広 浩一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.181-184, 2006
被引用文献数
3

筆者らは,教員養成課程の大学生が,デジタル・ティーチング・ポートフォリオを作成する授業を開発・実践してきている.本研究ではこのデジタル・ティーチング・ポートフォリオを,ブログを使って作成することの可能性について,授業実践を通して検討する.