著者
安西 航 髙橋 洋生 戸田 光彦 遠藤 秀紀
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.40, pp.45-52, 2017-05-31

小笠原諸島では、固有昆虫を保護するべく、粘着トラップを主としたグリーンアノールの駆除事業が進んでいる。しかし小笠原に生息する集団の基本的な生態はあまり調べられておらず、捕獲の効率化の検討に資する生態学的知見は少ない。本研究では、グリーンアノールの利用する止まり木に着目し、父島と母島の集団間あるいは雌雄間で、利用する微小環境を定量的に比較した。その結果、両島ともに雌雄差がみられ、雌の方が細い枝や根が混み合った微小環境を利用していることがわかった。このことから、効率的に雌を捕獲するには、樹幹や太い枝だけではなく、雌が好むような微小環境にもトラップを設置することが有効と考えられる。
著者
髙橋 洋一
出版者
暮しの手帖社
雑誌
暮しの手帖. 第5世紀
巻号頁・発行日
no.11, pp.74-77, 2021-04
著者
辰野 竜平 梅枝 真人 宮田 祐実 出口 梨々子 福田 翼 古下 学 井野 靖子 吉川 廣幸 髙橋 洋 長島 裕二
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.28-32, 2021-02-25 (Released:2021-03-04)
参考文献数
16
被引用文献数
2

トラフグ属魚類の小型種であるムシフグは,毒性に関する情報が乏しく食用として認められていない.そこでムシフグの毒性を明らかにするため,熊野灘で漁獲した10個体(雄9個体,雌1個体)を試料とし,各個体の皮,筋肉,肝臓,生殖腺(卵巣もしくは精巣)をマウス試験とHPLC蛍光検出法に供した.各部位から試験液を調製し,前述の2つの方法により毒力とテトロドトキシン(TTX)濃度を算出した.マウス試験の結果,皮,肝臓,および卵巣で毒性が認められたが,精巣と筋肉は無毒(<10 MU/g)であった.一方,HPLC蛍光検出法で10個体中2個体の筋肉から1.4~1.5 MU/gのTTXが検出されたことから,ムシフグの食用可否を検討するため,引き続き毒性の調査を行う必要があると考えられた.