著者
関 浩之 鯵坂 恒夫
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.3_61-3_69, 2011-07-26 (Released:2011-09-26)

ソフトウェアサイエンスになじみ深い形式言語理論の枠組みであるチョムスキー階層をあらためて探検する.文法の記述の方法および4つの文法クラス間の隙間に注目し,とくに機械と人間(生物)の間を攻めるともいえる弱文脈依存文法についてはやや詳しく解説する.
著者
松井 真子 松延 拓生 満田 成紀 福安 直樹 鯵坂 恒夫
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2016-EMB-41, no.8, pp.1-8, 2016-05-26

近年,ウェブで利用されているアプリケーションは Rich Internet Application(RIA) が主流となっている.しかし,RIA は同一ページ内で動的に情報が更新されるため,支援技術を用いてウェブを利用するユーザには変化が伝わらない可能性がある.このようなアクセシビリティに関する問題を解消するには多大な労力を必要とする.そこで本研究では,HTML を対象に動的なオブジェクトの状態を把握するために WAI-ARIA の仕様を基に必要な HTML 属性記述を検討し,属性の記述方法の分類と系統化を行った.実際にユーザインタフェース (UI) を 22 種類作成し,UI の使用目的毎に分類した結果,入力系・表示系・操作系・ナビゲート系・部品系の大きく 5 種類に分類された.その後,分類毎に標準化すべき属性の記述方法を検討した.JavaScript ライブラリによって,Role 属性から UI の種類を判断し,必須の属性値を動的に付与するサポートが可能であると考えられる.
著者
松井 麻吏奈 満田 成紀 福安 直樹 松延 拓生 鯵坂 恒夫
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.15, pp.1-6, 2015-01-19

携帯端末へのセンサ搭載やビッグデータへの関心の高まりからセンサアプリケーションと連携したソーシャルメディアが増加している.しかし,炎上やネットストーカーといった情報公開範囲に起因する問題も増加している.本研究の目的は,センサアプリケーションと連携したソーシャルメディアの開発を行う場合の,情報公開基準フレームワークの提案である.関連研究から抽出した情報公開に関する問題点を元にチェックリストを作成し,そのチェックリストを既存のソーシャルメディアに適用することにより,チェック項目に対して必要と考えられる機能についての考察を行った.その結果を一般化することにより,開発するソーシャルメディアの機能から必要となる情報公開に関する機能を提示する情報公開基準フレームワークの検討・考察を行った.
著者
阿草 清滋 落水 浩一郎 片山 卓也 中田 育男 佐伯 元司 鯵坂 恒夫
出版者
名古屋大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

阿草は、既存ソースプログラムを解析しその結果を蓄積するために、細粒度のリポジトリを開発した。CASEツール作成者は、このリポジトリを使うことにより、構文解析や依存解析などのモジュールを作成する手間を省くことができる。ソースプログラムの解析によりライブラリの典型的な利用パターンを発見した。片山は、要求仕様変更とプログラム変更の関係を代数束により形式化し、ソフトウェア発展関係の理論的基礎を与えた。ソフトウェアの段階的詳細化において各段階でプログラムテストを可能とする方式として、抽象実行に基づくソフトウェア構成法を開発した。また、オブジェクト指向開発法の形式化を試み、分析モデルの統合と分析モデルの検証法を与えた。落水は、近年のソフトウェア開発は、分散環境における共同作業であることに注目し、このような環境下でのソフトウェア開発支援のために、開発状況を保持する情報リポジトリを用いて漸進的に情報の矛盾や不確実さの解消を行うモデルを提案し、それに基づく支援環境を構築した。中田は、スライディングウィンドウを持つ計算機の命令レベルの並列化のために、ループのソフトウェアパイプライニングのレジスタ割付方式としてスパイラルグラフを提案した。また、コメントの処理などに必要とされる字句解析器の最短一致法を開発した。佐伯は、再利用プロセスの形式化をユースケースのパターン化とその構造変換規則として行った。分析パターンや設計パターンの構造をパターン化し、必要に応じてホットスポットを埋める手法を提案した。また、ソフトウェアアーキテクチャをカラーペトリネットで形式化し、非機能要求の検証を可能とした。