著者
神田 竜 片寄 晴弘
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-3, no.4, pp.1-7, 2013-01-14

近年,様々な音楽演奏現場で,インタラクティブな操作とリアルタイムレンダリングによる音楽と調和した映像演出が隆盛している.本稿ではそのような映像演出を「ジェネレティブVJ」と呼ぶ.「ジェネレティブVJ」のパフォーマンスは未だ歴史が浅く,その映像制作手法の共有化と再利用化は充分ではない.本稿では「ジェネレティブVJ」の現役制作者の映像制作手法を分析し,個別のパタンとしての記述を試みる.また,抽出したパタンの有用性を確かめる実験として,映像制作初心者にパタンを提供し,音楽と調和した映像制作を行わせる.その結果,映像制作初心者は自身の個性を発揮した上で,音楽構造に調和した映像を制作した.
著者
尾崎隆
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.10, pp.1-1, 2014-05-07

2012 年秋に Harvard Business Review 誌で Thomas H. Davenport が 「データサイエンテイスト」 は 「21世紀で最もセクシーな職業」 「データ分析でビジネスに貢献するスーパーマン」 と紹介して以降、諸外国同様に曰本でも「ビッグデータ」「データサイエンティスト」のブームが吹き荒れた。一方で、ブームの至り来が急激だった分その終焉も早く、2013 年 9 月頃には 「データサイエンテイスト」 ブームはほぼ終了したと Google Trends の検索結果からうかがえる。しかしながら、この短期間のブームの間に多くの企業でデータ分析の重要性が認識され、ブーム終了後も継続的なデータ分析体制の整備を進める企業の事例が散見される。その中には 「スーパーマン」 的な 「データサイエンティスト」 像からの脱却を目指す動きも見られる。本講演では、「データサイエンティスト」 ブームの熱狂が過ぎ去った後、企業におけるデータ分析の世界で、より堅実な 「データ分析者」 としてどのような人物像が求められているかを詳説する。
著者
梶並知記
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-4, no.14, pp.1-7, 2013-06-20

本稿では,e-Sports の一種である対戦型格闘ゲームに関する,プレイ技能向上支援の方法について検討する.近年,対戦型格闘ゲームの競技会は世界各国で行われており,その模様は動画コンテンツとして配信されている.本稿では,対戦型格闘ゲームのプレイが知的なものであり,またプレイヤーが競技者 (Athlete) でもあり観戦者 (Audience) でもあると仮定し,動画コンテンツを用いて,ゲームプレイにおける戦略・戦術に関する創造活動を支援するための枠組みについて述べる.
著者
王 杲 高橋 光輝
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-8, 2015-01-19

近年,中国の急激な経済発展に伴い,コンテンツ市場も大きく活性化されている.しかし,日本で行われているキャラクタービジネスが成功している事例は中国では極めて少ない.さまざまな制約などの厳しい環境がある中国で,日本型キャラクタービジネスの展開は今後も厳しい状況ではないかと推測される.今回は,著者がプロデューサーとして参加し,中国で展開した "VOCALOID CHINA PROJECT" の事例を基に,海賊版問題や放送規制が厳しく文化も違う中国で,実際に行ったどんな問題に直面したのか.また,ユーザーとなる中国の若者がどんな影響を受けたのかを記録し,分析する.In recent years, an unprecedented dynamic in Culture Market came along with the rapid growth in China's economy . However, it is rare to find the success stories of character business in Japanese Mode in the Chinese Market. Meanwhile, it can be imagined that the development of character business in Japanese Mode will face resistance in future, due to various factors in China. In this paper, we take The「VOCALOID CHINA PROJECT」in China which I took part in as a producer for instance to record and analyze the problems when developing this project in Chinese Market where there are problems of piracy, strict scrutiny of the broadcast content and cultural differences, and the reactions of this project from the young Chinese users.
著者
中本 智子 鶴野 玲治
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2017-DCC-17, no.19, pp.1-7, 2017-11-01

本論文では,人とバーチャルキャラクタが対面した場面を想定して,バーチャルキャラクタの眼球運動モデルの生成を行う.人間が他者の顔を見つめる時の視線は,相手の目や鼻などの特徴点を経常的に推移することが知られている.本研究ではそのことに着目し,自然に他者の顔を見つめるような統計的な眼球運動モデルを,実測値に基づいて構築した.また眼球運動と同時にユーザを適切に見つめる動作に伴う頭部の動きの生成も行った.本手法を用いた眼球運動モデルとユーザの顔の部位の位置の情報を組み合わせて,眼球運動を生成する事により,ユーザを適切に見つめるような眼球運動の生成が可能となった.
著者
工藤 真也 長岡 鼓太朗 梶並 知記
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2020-DCC-24, no.10, pp.1-4, 2020-01-16

本稿では,サバイバルゲームにおける少人数でのフラッグ戦を対象とした,試合後の振り返り支援を行う可視化インタフェースを試作する.サバイバルゲームは,エアソフトガンを用いて行う,実際の銃撃戦を模したゲームで,実世界のフィールド上で試合する.試合後,口頭またはメモ用紙などを用いて振り返りを行う場合がある.本稿では,振り返りの際の議論活性化のために,プレイヤーのフィールド上の移動軌跡や警戒,射撃状態を可視化するインタフェースを構築する.
著者
牧野 聖久 松河 剛司
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2018-DCC-20, no.8, pp.1-6, 2018-10-31

Unity を用いて開発したドットグラフィックを用いたアクションゲームについて,高解像度ディスプレイにおいてドットグラフィックをピクセルパーフェクトで表示する手法や,追加カメラを用いて実装したドットグラフィックの表現を崩さない画面ズームの手法について述べる.
著者
相澤 清晴
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-23, no.6, pp.1, 2019-10-31

毎日の食事をマルチメディアデータとして記録し活用する技術基盤として,著者らは FoodLog というシステムを開発 ・構築してきた.食事を記録するツールは数多くあるものの,テキストで入力し,テキストを残すものがほとんどであり,入力のための手間がかかるとともに,記録が一目でわかる直感的なものからはほど遠い.FoodLog は画像による記録を行う先駆けとしてのツールであった.入力の手間も,画像認識による入力の支援によって軽減された.当初は,Web ベースのシステム (2008),つぎにスマートフォンベースのアプリ (2013) となり,現在に至っている.foo.log (株) という組織を作り,アプリを一般利用に提供し,これまで 1000 万件を越える食事記録を収集している.その FoodLog プラットフォームは,食事画像認識やデータベースが API を介して利用可能に整備されている.収集データから,全体の食事の傾向,個人の食事の傾向,年月にわたる推移を可視化することもできる.2018 年末には,我々の研究室で,新たに FoodLog Athl というアプリを構築した.FoodLog の API を活用し,食事記録を支援するとともに,そのモニタを行う管理栄養士のツールを作り,両者のコミュニケーションを支援する.東大のアメフト部の強化選手の栄養管理 (ドーム(株)が栄養管理を実施) において利用が行われ,モニタの仕組みまで近く公開する予定である.本講演では,この FoodLog の一連の取り組みと,最新の FoodLog Athについて紹介する.
著者
王 飛 高橋 光輝
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-12, no.7, pp.1-7, 2016-01-14

戦後女性が社会生活で活躍し,同時にアニメ作品の内容も変貌した.特に近年における日本のヒットアニメはフェミニズムが色濃く反映されていると言っていい.影響を及ぼしているオタク文化やコスプレ文化など,フェミニズムがアニメに浸透している.日本のアニメにおけるフェミニズムの歴史に遡り,近代ヒットアニメのフェミニズム的要素,市場ニーズなどを通じ,ヒットとフェミニズムの関連性を分析し考察する.
著者
濱本 望絵 土屋 薫子 石川 博一 村上 隆史 杉村 博 森 信一郎 一色 正男
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-21, no.36, pp.1-8, 2019-01-17

無線対応端末がルータや中継機に無線接続する際,暗号化 ・ 復号化に必要な鍵を 2 つ取得する. 1 つはユニキャスト通信する際に使用する PTK (Pairwise Transient Key),もう 1 つはブロードキャストおよびマルチキャスト通信する際に使用する GTK (Group Temporal Key) である.家庭用ルータ ・ 中継機の中には,一定時間ごとに GTK を更新し,1 つの GTK を長い期間共有しないことで通信の安全性を高める設定が可能なものもある.しかし,中継機の GTK 更新の実装仕様により,無線 LAN ネットワーク上の端末間で GTK の不一致が発生する場合がある.その結果古い GTK を持つ端末と,新しい GTK を持つ端末との間でブロードキャストやマルチキャスト通信が不能になり,相互接続ができない問題が発生する.本論文では,中継機の GTK 更新に関する実装状況を調査し,その問題が発生する条件を明らかにする.またその問題に対して,端末側の実装で相互接続性を確保するための手法の提案を行うと共に提案手法の評価と考察を述べる.
著者
大山 晃平 小川 剛史
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-21, no.57, pp.1-6, 2019-01-17

感覚間の相互作用を用いたクロスモーダルインタフェースに関する研究が盛んに行われている.著者らの研究グループでは提示した感覚を減衰させる隠消現実感にクロスモーダル現象を応用するための基礎検討を行ってきた.特に視覚と圧覚の相互作用に着目し,視覚刺激と圧覚刺激の不整合によって圧力知覚を減衰できる可能性を示してきた.これまでのプロトタイプでは視覚刺激の提示ディスプレイとしてスマートフォンを用いていたが,ディスプレイに表示される腕に対する自己帰属感が低い被験者は圧力知覚が減衰し辛い傾向にあった.本稿では強い自己帰属感を維持するために,視覚刺激の提示ディスプレイとして HMD を用いた実験を実施し,その結果について考察した.実験で得られた知見をもとに,圧覚の隠消現実感を引き起こすための視覚刺激の提示条件について議論する.
著者
村上 隆史 一色 正男 杉村 博 横山 悠平
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.33, pp.1-7, 2015-01-19

全世界的にエネルギーマネジメントの重要性が,叫ばれ続けているなか,日本国内においても,エネルギーの高効率利用は,20 世紀後半より継続して高い関心を持ち続けている.特に 2011 年 3 月 の東日本大震災以降は,エネルギーマネジメントの効率化を目的とし,Home Energy Management System (以下,HEMS) を中心にマルチベンダ相互接続を実現するための仕組み作りや商品化の加速が進んできている.ただし,HEMS の対象範囲での電気使用量は,エネルギー全体の 1/3 程度であり,エネルギーマネジメントをさらに有効にしていくためには,HEMS 以外のエネルギー機器へ拡張していくことが重要になる.業務用機器のネットワーク接続における課題は,標準化が十分に進んでおらず,マルチベンダ接続が困難な状況である.そこで,民生用途の HEMS で確立した技術の展開を検討し,業務用機器へ拡張時の課題を整理するとともに,ツールを用いて通信インタフェースの展開が可能であることを検証する.The importance of global energy management is being cried in the all over the world. Also in Japan, High-efficiency utilization of energy is very interesting from the end of the 20th century. Especially since the Great East Japan Earthquake of March 2011, the scheme to achieve a multi-vendor interoperability and the commercializing any kind products for energy are accelerating focusing around Home Energy Management System (below, HEMS). However, the electrical consumption in the scope of HEMS is about one third of the total energy. In order to enable more effective energy management, it is important to extend the scope other than HEMS. An issue in the network connection between the energy equipment other than HEMS is that the standardization is not sufficiently advanced and multi-vendor connection is a difficult situation. Therefore, we consider deploying the techniques established in HEMS of consumer applications and organizing some issues. And we verified that it is possible to extend communication interface from HEMS to range of other than HEMS by using a tool.
著者
阪口 紗季 白水 菜々重 島田 さやか 松下 光範
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-13, no.7, pp.1-8, 2016-05-23

パーソナル・ファブリケーションの発展に伴い,人々の DIY によるものづくりに対する関心が高まっている.一方で,ものづくりをするためにはまず知識や技術を習得する必要があり,初学者にとっては未だ敷居が高いものとなっている.こうした背景のもと,本研究では,初学者でも既に持っている知識や経験に基づいて電子工作を体験することができるキット “Haconiwa” をデザインしてきた.このキットでは,電子部品の外観が人形や模型といった,初学者にとっても馴染みのあるものに置き換えられており,各部品の接続部にはスナップボタンが採用されている.これにより,初学者にとって初見では難しいと感じる電子部品の見た目や操作を排除し,電子工作に対する抵抗をなくすことをねらいとしている.Haconiwa のハンズオン展示におけるユーザ観察と使用感に関する評価実験からは,電子工作初学者のユーザでも電子回路を完成させることが可能であることや,既存の手法に比べて導入のしやすさにおいて優れていることが示唆された.
著者
王 夢 小川 剛史
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-4, no.7, pp.1-6, 2013-06-20

拡張現実感における現実世界に重畳表示した仮想オブジェクトのリアリティを向上させるためには,視覚的な提示だけでなく,触覚や聴覚など,より多くの感覚刺激を提示することが重要である.本研究では,聴覚刺激の提示のみで任意の場所に音像を定位することは困難なため,視覚と聴覚のクロスモーダル知覚を用いたシステムを提案する.本稿では,提案システムの実現に向け視覚刺激が音像知覚に与える影響を調査した初期実験について報告する.実験により,視覚と聴覚のクロスモーダル知覚を用いることで,聴覚刺激のみを与えたときと比較して,被験者が音像の位置をより強く認識できることが分かった.
著者
藤本実
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-3, no.14, pp.1-2, 2013-01-14

近年,フルカラーLEDや無機ELワイヤを衣装に取り付けた電飾パフォーマンスシステムがアーティストのコンサートなどで用いられるようになってきた.これらのパフォーマンスでは,点滅のタイミングを制御することで従来では表現できなかった演出を行っている.本研究では,ダブルダッチで使用するロープとして無機ELワイヤを使用することで,パフォーマとロープの両方の点滅制御を行うパフォーマンスシステムを提案する.パフォーマとロープの両方に加速度センサを取り付け,パフォーマが跳ぶタイミング,ロープの回転速度を認識することで光を利用した新しい表現を目指す.
著者
伊尓凡 牙尓買買提 高橋 光輝
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-7, 2014-01-16

中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区に主に居住するウイグル族の特徴的な文化要素は,歌舞音曲,独自の服飾文化,食文化,民話などが多数ある.しかし,近代流入した異文化の影響でウイグル文化を知らない若者が急増し,民族文化の維持と継承が重要な課題になっている.近年,コンピューター技術の発展とともに,アニメーションという映像表現は実写では表現できない動きや演出が特徴的であり,子供から大人まで世界中で多くの作品が鑑賞され,人気を得ている.ウイグル文化を次世代,および世界に魅力的に紹介するには,民族文化のアニメーション化が有効であると考える.本論では筆者が制作したウイグル民話題材のアニメーション作品 "フサイナムとザイトンハン" を事例に,民族文化の新しい表現方法を提案する.The Uyghur's live primarily in the Xinjiang Uyghur Autonomous Region in north-west China. They possess a unique ethnic culture consisting of variety of ethnic cultural elements like Uyghur folk song and dance, food and diet, folktales and so on. However, due to the impact of modern influx of foreign cultures, increasing number of Uyghur youngster become ignorant to their own culture. Thus, maintaining and inheriting the national culture became the main subject of the Uyghur society. As computer technology develops rapidly in recent years, animation become one of the most popular filmography watched by all aged group characterized by its feasibility to express special effect which is incapable to performed in movies. Hence, Author regard the "animated ethnic culture" as an effective method to introduce Uyghur culture to next generation as well as to the world. In this assay, author take the 《HUSAYNAM and ZAYTONHAN》, a folk story-based animation film, as an example to propose a new representation method of national culture.
著者
松井 麻吏奈 満田 成紀 福安 直樹 松延 拓生 鯵坂 恒夫
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.15, pp.1-6, 2015-01-19

携帯端末へのセンサ搭載やビッグデータへの関心の高まりからセンサアプリケーションと連携したソーシャルメディアが増加している.しかし,炎上やネットストーカーといった情報公開範囲に起因する問題も増加している.本研究の目的は,センサアプリケーションと連携したソーシャルメディアの開発を行う場合の,情報公開基準フレームワークの提案である.関連研究から抽出した情報公開に関する問題点を元にチェックリストを作成し,そのチェックリストを既存のソーシャルメディアに適用することにより,チェック項目に対して必要と考えられる機能についての考察を行った.その結果を一般化することにより,開発するソーシャルメディアの機能から必要となる情報公開に関する機能を提示する情報公開基準フレームワークの検討・考察を行った.