著者
福安 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.173, pp.79-84, 2008-07-24
参考文献数
10

ウェブサイトにおいてHTMLの各要素をどのように表示するかを指定する記述としてCSSが広く利用されているが,一般的なプログラミング言語と同様に,変更の繰返しが保守性の低下を招くおそれがある.本稿では,一つのルールセット内で宣言されているプロパティの種類や複数のルールセット間で宣言されているプロパティの類似性に着目して,CSS記述における不吉な匂い(役割の重すぎるルールセット,重複したルールセット)を検出する手法を提案する.また,検出された不吉な匂いに対する三つのリファクタリング手法を提案する.実際に,役割の重すぎるルールセットや重複したルールセットが多く含まれるサイトのCSS記述についてリファクタリングを実施した結果を報告する.
著者
井垣 宏 堀口 諒人 福安 直樹
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.36-44, 2022-08-29

プログラミング教育へのコードレビューの導入は学生のプログラミングスキルの向上だけでなく,授業満足度の向上やレビュー後の自発的なプログラミング行動の促進といった効果があることが知られている.著者らの所属する大学では,コロナ禍の影響により一部のプログラミング演習をオンライン環境で実施している.そのため,学生間交流の機会の増加やプログラミングスキルの向上等を目的として,チームでのコードレビュー(以降チームレビューと呼ぶ)を同一のプログラミング演習を実施している一部のクラスに導入した.その結果,チームレビューを導入したクラスと導入していないクラスの間で,プログラミング課題提出締め切り後に行った自発的なコードの編集という観点において,量,質ともに一定の差があること,特にリファクタリングや未完成の課題に取り組む学生がチームでのコードレビュー実施クラスにおいて増加したことが確認された.
著者
松井 真子 松延 拓生 満田 成紀 福安 直樹 鯵坂 恒夫
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2016-EMB-41, no.8, pp.1-8, 2016-05-26

近年,ウェブで利用されているアプリケーションは Rich Internet Application(RIA) が主流となっている.しかし,RIA は同一ページ内で動的に情報が更新されるため,支援技術を用いてウェブを利用するユーザには変化が伝わらない可能性がある.このようなアクセシビリティに関する問題を解消するには多大な労力を必要とする.そこで本研究では,HTML を対象に動的なオブジェクトの状態を把握するために WAI-ARIA の仕様を基に必要な HTML 属性記述を検討し,属性の記述方法の分類と系統化を行った.実際にユーザインタフェース (UI) を 22 種類作成し,UI の使用目的毎に分類した結果,入力系・表示系・操作系・ナビゲート系・部品系の大きく 5 種類に分類された.その後,分類毎に標準化すべき属性の記述方法を検討した.JavaScript ライブラリによって,Role 属性から UI の種類を判断し,必須の属性値を動的に付与するサポートが可能であると考えられる.
著者
松井 麻吏奈 満田 成紀 福安 直樹 松延 拓生 鯵坂 恒夫
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.15, pp.1-6, 2015-01-19

携帯端末へのセンサ搭載やビッグデータへの関心の高まりからセンサアプリケーションと連携したソーシャルメディアが増加している.しかし,炎上やネットストーカーといった情報公開範囲に起因する問題も増加している.本研究の目的は,センサアプリケーションと連携したソーシャルメディアの開発を行う場合の,情報公開基準フレームワークの提案である.関連研究から抽出した情報公開に関する問題点を元にチェックリストを作成し,そのチェックリストを既存のソーシャルメディアに適用することにより,チェック項目に対して必要と考えられる機能についての考察を行った.その結果を一般化することにより,開発するソーシャルメディアの機能から必要となる情報公開に関する機能を提示する情報公開基準フレームワークの検討・考察を行った.
著者
井垣 宏 福安 直樹 佐伯 幸郎 柗本 真佑 楠本 真二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.701-713, 2015-02-15

ソフトウェア開発教育の一環として,ScrumやXPといったアジャイルソフトウェア開発を採り入れたチームによるソフトウェア開発演習を実施する大学が増加しつつある.一方で,演習によるアジャイルソフトウェア開発教育には複数の課題が存在する.代表的なアジャイル開発フレームワークの1つとして知られるScrumでは,プロジェクトを検査し,自己組織的にプロジェクトの状況に適応し続けることが求められる.しかしながら,チームでの開発経験が少ない受講生には,プロジェクトの状況がどうであるかを検査すること自体が困難である.また,受講生によるチーム開発では,担当するタスクの種類や量が偏りがちである.我々はこれらの課題の解決を目指し,チケット駆動開発と呼ばれる開発手法とScrumフレームワークを組み合わせることにより,プロジェクトを定量的に評価する枠組みを構築した.実際に我々のプロジェクト定量評価の枠組みを用いてチームによるソフトウェア開発演習を実施し,複数の定量評価基準に基づいて,チームごとのプロジェクト評価を実施した.The universities which teach agile software development, such as Scrum and XP are increasing in number. On the other hand, there are some problems in agile software development exercise. The Scrum known as one of the leading agile software development framework requires inspection and adaptation of projects. However, it is difficult for students with few team software development experiences to inspect their projects. Moreover, the kind and quantity of the tasks which each student takes charge of tend to become imbalanced. In this paper, we propose a framework which combines a ticket management system and the Scrum for quantitative evaluation in team software development exercise. We conducted practical software development exercise with using our framework as a case study.
著者
井垣 宏 福安 直樹 楠本 真二
雑誌
ウィンターワークショップ2014・イン・大洗 論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.79-80, 2014-01-16

SDPBL(Software Development Project-based Learning)等の高度なソフトウェア工学教育を実施する際には,多様なサービスを導入したサーバの構築・運用を教員が実施しなければならない.本稿ではそのようなサーバ運用における課題を整理し,新しいサーバ運用手法について検討を行う.
著者
井垣 宏 福安 直樹 佐伯 幸郎 柗本 真佑
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1266-1269, 2013-11-15

ソフトウェア開発を伴うPBLでは,コンパイラや統合開発環境,版管理システムといった演習環境の導入,保守に関する課題と開発プロセスを受講生に如何に重視させるかという課題が存在する.我々は演習環境をクラウド化(PBL as a Service)することで,演習環境の導入コストの削減と受講生のモニタリングを実現した.クラウド化された演習環境を前提とすることで,プロジェクトにおけるプロセスの定量的評価尺度の策定が可能となり,プロセスを重視したPBLを実施できるようになった.