著者
鴈澤 好博 紀藤 典夫 貞方 昇
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.379-390, 1995-11-25
被引用文献数
1

1994年7月12日に発生した北海道南西沖地震について,大規模な被災地域の一つである大成町平浜,宮野,太田地区で,野外調査および聞き取り調査を通して,地震と津波の自然科学的な側面,被災状況の実態を把握し,自然的な条件と人間の避難行動の相互の関わりを検討し,あわせて防災に関する提言を行った.津波は地震後,約5分から7分で西あるいは北西方向から浸入し,その高度は4m〜7m程度であった.また,津波による人的・経済的被害は地区により大きな違いが認められた.津波から人命を安全に守るためには,a)住民に「地震すなわち津波」の意識があること,b)地震後津波が襲来するまでの避難時間があること,c)避難経路および避難場所が確保されていること,d)防波堤などの対津波・高潮対策が十分であることが保証される必要がある.
著者
鴈澤 好博
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

石英のOSL が熱に極めて敏感(300℃x20秒でリセット)であることに注目しOSL法による活断層年代測定のための基盤研究を進めた.アニール実験からOSLのFC (速成分)とTLのシグナル消失条件を検討したところ,OSLでは300℃,20秒で,UV‐TL270℃領域では300℃,12~30秒で消失した.トラップ寿命の評価でも,同様な結果が得られた.このことからOSL法は活断層年代測定に有効であることが示された。