著者
鶴田 節夫 鬼塚武郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.427-438, 1989-04-15
被引用文献数
7

産業分野におけるエキスパートシステムの開発が盛んであるが 1人の専門家を代行するエキスパートシテムが中心である.現実社会では複数専門家の協議の必要な大局判断が判断業務のネックとなる場合が多いが 目標や制約が複雑・不明確かつ競合するため その計算機化は難しい.例えば 列車タイヤ作成など列車(運行)スケジューリングでは 列車・旅客・運用など各関係の専門家間の利害調整や協議がネックになる.本論文では 列車スケジューりングを具体例に 大局判断ネックの軽減を目的として複数専門家の推論・協議を計算機と1人の人間(熟練者でなくても良い)により代行可能とする協調推論型知識情報処理の一方式を提案する提案方式は オブジェクト指向やアクタ理論をベースとするが 「オブジェクトの理論的表現であるアクタ理論のアクタとは異なり 1人の専門家に相当するオブジェクトをアクタ(俳優 登場人物.ただしユーザである1人の人間もアクタと考える)として 一般のオブジェクトと区別して概念化し 複数のアクタが互いに関連する要求や問題点をメッセージバッシングにより交信するための枠組としての協議劇」として スケジュール立案のための複数専門家の推論や協議すなわち協調推論をモデル化するものである.実験システムを開発し その有用性を示す.
著者
堀井 翼 櫻井 義尚 櫻井 恵里子 鶴田 節夫
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.771-772, 2019-02-28

近年、人々は様々な苦悩を抱えている。それに対してカウンセラーは少ない。そのため人々は苦悩をぬぐい切れずにいる。そこで、私たちはヴァーチャルカウンセリングエージェント(VCA)を開発した。本稿では、VCAと既存の対話システム(ELIZA, CRECA)の比較実験を行った。その結果、VCAの有用性が証明された。
著者
鶴田 節夫 江口 俊宏 大島 俊哉 酒井 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.103, pp.65-74, 1993-11-24
被引用文献数
4

外界からのメッセージに対応して、時間的に変化する目的 (時変目的と呼ぶ) を動的に生成し、これを分割したり、分割した目的を実行・調整しながら協調統合するための知識表現方法と、これを利用して問題を解くための推論機構を開発した。これを時変目的協調推論技術と呼ぶが、本技術は複雑かつ実時間で動的に変化する難問の解決のための知識情報処理機構を提供する。東京を始めとする大都市通勤圏では、ラッシュ時の混雑による列車ダイヤの乱れが問題となっているが、これを回復するための運転整理は、全線の列車の動きを考えた複雑な判断を実時間で動的に行なう必要があり、そのシステム化は20年以上の課題であった。時変目的協調推論技術を、この運転整理AIシステムに適用し、その開発において本技術が動的で複雑な問題の解決用ソフトウェアの柔軟性、生産性を高める点で有用であることを確認した。The inference technology called "Dynamical Goal Coordinating Inference" (DGCI) technology was developed. DGCI provides the knowledge representation style and mechanism for dynamical goal generation, control, and it's decomposition, execution and coordination. DGCI also provides an inference engine for solving problems by utilizing knowledge represented in the above style. DGCI was applied to an expert system for regulating commuters' trains in one of the biggest cities of Japan, which has not been in practical use for more than twenty years.
著者
高田 考平 櫻井 義尚 鶴田 節夫 Avelino J.Gonzalez Johann Nguyen
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.33, pp.55-60, 2009-03-11

専門家達の対話がウェブベースの協調ツールに制限される複雑なプロジェクトにおいて、製品品質の確保、予算超過や遅延の防止等、プロジェクトの目的達成を保証するためには、プロジェクト管理が不可欠である。通常これはプロジェクト管理者 (PM:Project Manager) の仕事である。本論文では、状況の認識とそれに対応する知識を記号表現した文脈知識をベースとする推論である文脈ベース推論 (CxBR:Context Based Reasoning) を用いて、プロジェクトマネージャの知能を PM エージェントとして実現する方式を提案する。また、ロケット設計プロジェクトをモデルとした実験システムにより、その有効性を評価する。In complex projects that require contributions from various experts whose interaction may be limited to a web-based collaborative tool, maintaining control of a project is difficult but it is essential to ensuring that the project objectives are met. This can help avoid cost overruns, shipment delays, but most importantly, product performance. This is typically the job of a project manager (PM). In this paper, a method is proposed to construct a PM agent, which exploits Context-based Reasoning (CxBR) as a tool of choice for implementing control measures typically used by competent PMs. Effects of the proposed method are evaluated, using an experimental system modeling a rocket development project.