- 著者
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渡邉 隆太
渡辺 一郎
奥村 恭男
永嶋 孝一
高橋 啓子
新井 将
若松 雄治
黒川 早矢香
大久保 公恵
中井 俊子
平山 篤志
磯 一貴
國本 聡
園田 和正 園田 和正
戸坂 俊雅
- 出版者
- 日本大学医学会
- 雑誌
- 日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
- 巻号頁・発行日
- vol.78, no.1, pp.33-39, 2019-02-01 (Released:2019-03-30)
- 参考文献数
- 30
背景:心房細動 (AF) に対する高周波 (RF),
cryoballoon (CB), hotballoon (HB) による肺静脈隔離 (PVI)
が心臓自律神経活動に及ぼす効果を検討した.
対象及び方法:AF に対する RF (n = 18),CB (n = 31),
HB (n = 16) による PVI 症例で PVI 前後に左房 (LA) 自律
神経叢 (GP) を刺激を施行し,迷走神経反射 (VR) の有無
を検討し,さらに,心拍数および心拍数変動を比較検討
した.
結果:RF-PVI 群,CB-PVI 群,HB-PVI 群で GP 刺激
による VR が 72%,73%,78%で消失した.術後の心
拍数は CB-PVI,HB-PVI 群で有意に増加したが,RFPVI 群では差を認めなかった.心拍数変動の高周波成分
(HF),低周波成分 (LF)/HF には各群とも PVI 前後で差を
認めなかった.
結語:PVI 後早期の心拍数変動は RF, CB, HB の3群
間で同等であったが,心拍数は CB, HB 群において有意
に増加した.PVI 後早期の心臓自律神経活動評価におい
て,心拍数増加がバルーンを使用したアブレーションと
カテーテルアブレーションとの違いであった.