著者
岩田 修二 白石 和行 海老名 頼利 松岡 憲知 豊島 剛志 大和田 正明 長谷川 裕彦 Decleir Hugo Pattyn Frank
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.355-401, 1991-11

第32次南極地域観測隊(JARE-32)夏隊のセールロンダーネ山地地学調査隊は, 1990年12月24日あすか観測拠点を出発し, 1991年2月7日に再び「あすか」に帰り着くまでセールロンダーネ山地中央部で, 地形・地質・雪氷調査を行い測地作業も実施した。雪上車とスノーモービルを利用してキャンプを移動しながら調査するという従来と同じ行動様式をとったため, 設営面でもおおかたはこれまでの方式と同じである。地学調査は, 地形では, 野外実験地の撤収, 岩石の風化の調査, モレーン・ティルのマッピング, 地質では, 構成岩石の形成順序の解明, 構造地質学的・構造岩石学的そして地球化学的研究のためのサンプリング, 測地では, 重力測量, 地磁気測量, GPSによる基準点測量が行われた。ベルギーからの交換科学者は氷河流動・氷厚などを測定した。