著者
岩田 修二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.153-164, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

高等学校地理教科書の世界の大地形の記述に使われている用語や説明の一部は不適当である.造山帯・安定陸塊の概念は地質構造を説明するものである.したがって,世界の山岳地域の大地形の説明として新期造山帯・古期造山帯を用いるのは止める.それに替えて地形の説明は平面形・高さ・傾斜などの地形の指標でおこなう.プレート論と整合するように変動帯を正しく説明する.造山帯・安定陸塊(楯状地・卓状地)の概念は鉱物資源の説明のためには有効である.ただし,地質学の概念であることをきちんと説明すべきである.このように教科書を改訂するためには,まず大学教員が努力しなければならない.高校教科書の「世界の大地形」の改訂案が付属資料として添付してある.
著者
岩田 修二
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.275-296, 2014-12-01 (Released:2015-07-23)
参考文献数
108
被引用文献数
3

日本アルプスの氷河地形研究における転向点1(1940年)は,発見時代の多様な氷河地形を今村学郎がアルプス型氷河地形だけに限定した時点である.転向点2(1963年)は,空中写真判読による日本アルプス全域の氷河地形分布図を五百沢智也が発表した時点である.その後,日本アルプスの氷河地形研究は大きく進展したが,転向点3(2013年)は,「地すべり研究グループ」によって複数の氷河地形がランドスライド地形と認定された時点である.転向点3以後における日本アルプスの氷河地形研究の課題は:1.露頭での詳細調査による氷河堆積物とランドスライド堆積物との識別,2.白馬岳北方山域での氷河地形とランドスライド地形との峻別,3.白馬岳北方山域での山頂氷帽の証拠発見,4.剱岳の雪渓氷河や後立山連峰のトルキスタン型氷河がつくる氷河地形の解明である.つまり,急峻な山地での氷河による侵食・堆積作用とその結果できる地形を見直す必要がある.
著者
岩田 修二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-24, 2007 (Released:2010-06-02)
参考文献数
33
被引用文献数
2

氷河湖決壊洪水(GLOF)による災害はブータンでも発生している.1998年と2002年に筆者を含むグループが氷河湖危険度調査を北西―北部ブータンで行った.その結果や過去の衛星画像の解析によると,ブータンのGLOFに関して最も危険とされるのはモレーンダム湖である.さまざまな氷河湖は,散らばった小氷河表面湖群 → 合体して巨大化した氷河表面湖 → 前面に氷体をもつモレーンダム湖 → モレーンのみのダム湖という発達段階のいずれかに位置づけられる.決壊洪水危険度査定のためには,定量的査定が試みられなければならない.危険な氷河として,ルナナ東部のトルトミ氷河湖,モンデチュウ西支流源頭部氷河湖群,クリチュウ上流のチベット側氷河湖が挙げられる.モニタリングのための衛星情報の提供,現地調査の援助,クリチュウ上流チベット側での調査・研究を進めるための中国側との交流が,さしあたって,実施されるべき日本からの貢献になろう.
著者
福井 幸太郎 岩田 修二
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.23-28, 2000-01-15
被引用文献数
17 2

1999年10月10日, 飛騨山脈北部に位置する立山, 内蔵助 (くらのすけ) カールの標高2,720mの地点で, 日本アルプスでは未報告であった永久凍土であると考えられる凍結層の存在をピット調査によって確認した. ピット掘削時の活動層の厚さは120~130cmであった.<BR>この永久凍土の形成には秋の積雪前の凍結とマトリクスを欠く角礫層やルースな砂礫層の存在が, 維持には夏遅くまで残る積雪層が大きな役割を果たしていることがピット調査と地表面温度観測結果から分かった.<BR>また, 永久凍土が確認できたプロテーラスランパートと呼ばれている岩屑地形は, 今まで雪渓 (氷体) 上に砂礫が堆積した地形と考えられており, この地形内の凍土は, 下層に存在する氷体の断熱効果のために底面融解が抑制されている可能性があった.しかし, 電気探査の結果からこの地形の下に氷体は存在しないことが明らかになった.

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著者
岩田 修二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-1, 2006 (Released:2010-06-02)
著者
澤柿 教伸 福井 幸太郎 岩田 修二
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.163-178, 2005-03-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
85
被引用文献数
1 2

近年,あいついで惑星探査機が火星に到達し,地表面の詳細な数値標高データが得られたことから,地形の解析は飛躍的に進展した.火星表面の環境は,寒冷・乾燥を主な特徴とする「極地砂漠」であると言われ,地球上のアナロジーとして南極大陸のドライバレー地域に見られる地形が用いられている.また,これまで,火星表面の広範囲に水流の侵食を受けたと考えられる地形が認識されてきたことに加えて,寒冷環境の水に関わる地形として氷河や永久凍土に起因すると考えられる地形も多く確認されており,その詳細な形態も明らかにされつつある.しかし,水が流れた地形と氷が流れた地形に決定的な違いはあるのか,といった両者の判別に関する問題は,地球上の地形についても未解決の部分が多く,火星の地形の解釈に適用する際には注意を要する.雪氷の流れによって形成される,岩石氷河や岩屑被覆氷河などの地形の解釈についても,地球上の研究例を火星の地形に単純に当てはめるには問題がある.
著者
岩田 修二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

はじめに 来年度(2013年4月)から高等学校の新教育課程がはじまる。帝国書院の『新詳地理B』(審査用見本;2012年3月検定済み)をみたところ,地形の部分はほとんど変わっていなかった.報告者の関心が深い山地地形についてみると,相変わらず新期・古期造山帯という概念で世界の山地地形が説明されている.これは,最近の変動地形学の進展と適合しないし,生徒に大きな誤解をあたえる可能性がある.問題点を提示し,改善案を示す.高校教科書の造山帯と山地地形の説明 多くの教科書に共通している説明は,「造山帯とは,山脈が形成される地帯である.新生代と中生代に形成された造山帯は新期造山帯とよばれ,険しい大山脈を形づくっている.古生代に形成された造山帯は古期造山帯とよばれ,長期間の侵食によって低くなだらかな山地になっている」というものである.教科書の説明と現実との不一致 高校時代に上記とおなじ造山帯と山地地形の説明を学んだ報告者は,長い間,登山の対象になる高く険しい山は新期造山帯にしかないと思いこんでいた.しかし,古期造山帯である天山山脈・崑崙山脈・チベット高原北半で調査した時,古期造山帯にもヒマラヤ山脈に匹敵する険しい山脈があることを知った.東南極大陸のセールロンダーネ山地で調査をしたときには,安定陸塊にも日本アルプスよりはるかに険しい3000メートル級の山地があることを知った.地形図と地質図(地体構造Geotectonic図)を照らし合わせると,東シベリアからアラスカ北部にかけての,なだらかな山地しかない新期造山帯,広い平原がいくつも存在する新期造山帯,安定陸塊なのに険しい山岳がみられる東アフリカ地溝帯など,教科書の説明とは一致しない場所が多いことが分かった.造山運動とは何か 造山運動 (orogeny) を"The process of forming mountains" (Dictionary of Geological Terms, Dolphin Books, 1962) や「褶曲山脈や地塊山地が形成される運動」(新版地学事典,平凡社,1996)とした辞書もあるが,造山運動とは「山脈の地質構造をつくり,広域変成作用や火成活動をおこす作用のこと」であり,「造山運動もある程度は地形的山脈をつくるであろうが,山脈の隆起の中には造山運動とは関係のない成因によるものもたくさんある」(都城,1979:岩波講座地球科学12:103-6)とされる.つまり,造山運動と造山帯は地質学の概念であり,そもそもは,大陸地殻(花崗岩類)をつくる作用のことである.山地地形の説明に用いるのは不適当なのである. 最近ではプレート論が高校教科書にも導入されたので,本来おなじ内容である変動帯と造山帯とを使い分ける必要がでてきたらしく,「プレート運動によって激しい地殻変動が起こる地帯を変動帯とよぶ。変動帯のうちで高い山脈が形成される地帯が造山帯にあたる」(上記の『新詳地理B』28ページ)という誤った記述がでてきた.改善策 山岳の地形の特徴を示すのは起伏(高さと険しさ)である.だから,世界の山岳地域を起伏という地形の指標で整理するのが山岳地域の地形理解の第一歩である.山地地形の説明には起伏を指標にした地形特性そのもので説明すべきである.わざわざ地質学の概念を借りてくる必要はない.日本の山地の区分でよくおこなわれる大起伏・中起伏・小起伏山地という区分で十分である. 20世紀前半の地向斜造山論を引きずっている造山帯の概念は,しかし,地下資源の分布を整理するには便利である.それならば,はっきりと,地質形成時代を示すことを明記したうえで鉱物資源・鉱業の部分で教えればよい.結論 1)山岳地域の大地形の説明として新期・古期造山帯を用いるのは止める. 2)鉱物資源の説明のために造山帯を使うならば,地質を説明する概念であることをきちんと説明すべきである.
著者
吉野 正敏 岩田 修二 藤田 佳久 吉村 稔
出版者
愛知大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度の研究では,次のような結果をえた。(1)東アジア・東南アジア・南アジア・北オーストラリアを含む地域における夏と冬の季節風循環は,最終氷期(18,000年〜20,000年B.P.)について復元すると,低緯度では不活発で,現在に比較して乾燥していた。一方,後氷期の8,500年〜7,000年B.P.の温暖化してきた時代は,特に南半球の冬すなわち北半球の夏のSW季節風は強く,北半球の低緯度では活発で対流活動が強く,現在に比較して湿じゅんであった。(2)このような状態は歴史時代の寒冷と温暖な時代にもあてはまるのではないかと考えられる。寒冷な時代,35Nより北側では湿じゅんだが35Nより南側の低緯度側では乾燥で,地中海東部・中近東・東アフリカなどでこのコントラストが明らかであるが,東アジアではやや不明瞭であったと推定される。(3)中国の人口増減・戸数の増減を歴史時代の2,000年間についてみると,2世紀,6〜8世紀,11〜12世紀に拡大がある。これらはいずれも気候が温暖な時代に相当する。また,温暖な時代には黄河下流域や揚子江最下流域の人口密度も増大する。逆にやや寒冷な時代には華南の諸省で人口や戸数が増加する傾向が認められた。(4)清朝の中・後期の水害頻度は1855年までは黄河が准河の下流に流入していたため、発生した場合が多い。その後,黄河は北流し,准河流域の水害頻度はこの流域内だけに起因する水害となった。すなわち,十年〜数十年の時間スケールでみる古環境変遷には人間活動の影響が大きい。(5)日本の歴史天候データベースを構築しつつ,江戸時代の降水量分布について考察した。その結果,十数年スケールでみた同じような寒冷な時代でも,日本の中間降水量分布にはいろいろな型があることがわかった。(6)最後に以上の結果をまとめて,気候条件と人間活動の関連図を作った。
著者
渡邉 俤二 平川 一臣 澤柿 教伸 石川 守 岩田 修二 泉山 茂之 水嶋 一雄 落合 康浩
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,パミール高原の中核地域であるタジキスタン共和国東部とキルギス共和国南部を主たる対象地域として,1991年の経済自由化がもたらした貧困が招く自然資源(大型草食動物と灌木)の利用(消費)の実態,土地利用(特に放牧地利用)変化,貧困が招いたオオカミ増加が家畜に対して与える影響,ツーリズムの現状,などを明らかにし,その上で持続的な自然資源の利用(保全)につながるジオエコツーリズムの導入について考察した。
著者
吉野 正敏 岩田 修二 藤田 佳久 吉村 稔
出版者
愛知大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

今年度は東アジアにおける歴史時代の中で特に温暖であった8〜9世紀と寒冷であった18〜19世紀の気候特性を明らかにし、その機構を明らかにした。そしてそれぞれの時代における気候が人間活動に及ぼすインパクトについて考察した。(1)中国東北部に8〜10世紀前半に栄えた渤海国をとりあげ、日本との間の渤海使・遺渤海史について考察した。その結果、季節性が極めて明瞭で、冬の季節風の利用、最も強い危険性をもつ期間をさけたことなどが考えられた。また、多少高湿であったため、牧草の生育には好条件で牧蓄業を背景とする国家経済の安定が国家成立を支えたと思われる。(2)華南の人口は上述の寒冷な小氷期には急激な上昇を示めす。また、反対に古代の暖った期間には華北や、現在のモンゴル地域には人口増加が明らかであった。(3)中国の清代の長江流域の洪水記録によると1736年〜1911年に多く、例えば長江の洪水流域には、1700年代中期、1820〜1850年、1880〜1990年の3つのピークがある。多雨であったばかりでなく、地方経済の弱体化にともなう堤防管理の悪化も原因の一つであったと考えられる。(4)古日記を利用して江戸時代の日本の天候を復元してその経年変化をみると、天保期の変動は近畿地方が東日本より顕著である。そしてその変動傾向は逆である。また、飢饉年でも日本全体がひと夏中同じ傾向を示す場合は少なく、季節の前半と後半で差がある年が多かった。(5)東ヒマラヤ・東南チベット・雲南省などでも5,000〜4,000年前は高温多湿であった。その後、1200〜700年前にも温暖な時代があったがチベット文化圏の拡大によって人間活動が活発化し、森林が破壊された。
著者
ビルンド エリック 岩田 修二
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.112-121, 1981-04-25 (Released:2010-11-18)
被引用文献数
1

フィンランド・ノルウエー・スウェーデンの北部に35, 000人ほどいるラップ人のうち, 山地の森林限界以上に居住する山地ラップ人と, 低地の森林に居住する森林ラップ人とは, 暮らし方がかなりちがっている。森林ラップ人の生活は古い時代のラップ人の生活様式を色濃く残している。ごく最近まで, 森林ラップ人は狩猟や漁労 (これらはラップ人の古い生業形態である) を生業にしていた。トナカイの飼育を始めたのは最近で, 飼っている頭数も少なく, 移動範囲もせまい。山地ラップ人が牧畜を始めたのもそれほど古いことではなく, 16-17世紀である。そして, およそ100年前には完全に牧畜(移牧)だけに依存するようになった。夏には高山地域へ, 冬には森林地域へ移動し, 春と秋は亜高山帯で過す。移動距離は数100kmにも達している。山地ラツプ人の生活基盤は牧畜業にあると考えられがちであるが, 現在では牧畜だけで生活しているラップ人の数はたいへん少数になった。スウェーデンの場合, ラップ人口のうちの7%ないし25%にすぎない。17世紀後半には, ラップランドにはラップ人だけが居住していた。そこへ, 南からの移住農民が侵入するにつれて, いろいろの問題がおこり始めた。これに対する政府の立場は, スウェーデンの場合, 土地は広大であり, 移住農民と牧畜ラップ人とは生活の場が異なるから摩擦は起きないであろうというものであった。しかし, 現実には多くの問題が起き, ラップ人はいつも不利益をこうむってきた。政府が長年ラップ人を保護し, 生活水準・教育水準を高めてきたとはいうものの, 少数民族であることと, 牧畜という不安定な生業に依存していることとのために問題の根本解決はなされていない。ラップランドからの人口流出が20世紀半ばから始まったことによって, ラップ人がラップランドとその周辺でスウェーデン人に雇用される機会が減った。いっぽう, ラップ人に対する人種偏見は減り, ラップ人がスウェーデン社会にとけこみやすくなった。しかし, これがラップの固有文化の崩壊をはやめることになった。現在では都市で生活しているラップ人も多い。
著者
岩田 修二
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.181-193, 2003-06-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
53
被引用文献数
9 6

面積は小さいが,日本アルプスは第四紀研究にとって重要な高山環境なので,そこでの研究は注目に値する.日本アルプスの削剥にとっては,大規模崩壊などの重力地形が重要である.その発生時期や,下流の河谷の埋積とどのように関係するかについてはまだ未解決である.最終氷期の氷河最大拡張期はMIS4~MIS5aであった.そして,最終氷期後半の氷河最大拡大時期はMIS2(北半球氷床のLGM)ではなく,MIS3の可能性が大きい.したがって,MIS2の氷河最大拡大期を想定して書かれたこれまでの垂直分布図や古環境地図は改訂を検討すべきである.日本アルプスにも,過去には山岳永久凍土が存在し,現在も局所的には分布することが岩石氷河の研究や地温観測から明らかになった.晩氷期と完新世の寒冷期における山岳永久凍土の地形形成や,植生に対する役割を再評価すべきである.最終氷期から完新世への移行期には,高山帯での崩壊が頻発したらしい.今後の研究の進展のためには,未発表の調査結果の印刷と公開現地検討会の開催が重要である.
著者
岩田 修二
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.319-335, 1980
被引用文献数
15 9

Movement types and intensity of surface processes were investigated on the slopes above the forest line of Mt. Shirouma-dake (2, 933 m. a. s. 1., 36&deg;45'N, 137&deg;45'E). The slopes studied are vegetation-free or sparsely vegetation covered ones that are mantled with rubble layers (thin layers of rock fragments).<BR>There are six types of slow mass movement operating on the rubble slopes talus creep, frost creep, needle ice creep, gelifluction, rapid solifluction, and a movement derived from snowpack creep. Rapid mass movement processes such as rockfalls, debris flows, and rolling down of stones often occur, but only a small amount of the materials is moved. Running water, supplied by rainfall and melting of snow and ground ice, carries the debris. While the amount of the materials moved by wash are not so large on the rubble slopes, the channel erosion is one of the important processes on the nivational rubble slopes that are covered by the long lasting snowpatches. The particle movement by wind and the transport in solution are probably insignificant on the study slopes.<BR>Relative vertical mass transfer in unit area that is a geomorphic work of process is estimated for a quantitative comparison of process intensity. The processes acting on the slopes are grouped as following five process sets according to their rates and types of the movements. I) Periglacial process set with low raet. II) Periglacial process set with medial rate. III) Nivational process set with low rate. IV) Nivational process set with medial rate. V) Nivational process set with high rate. The slow mass movements cover over 75 percent of the total mass transfer of the periglacial process set. The value of the slow mass movements of the nivational process set, however, is limited less than 75 percent of the total value and the remainder is mostly comprised in value of channel erosion. While the periglacial process sets occur on the periglacial rubble slopes that are put under the snow free dry conditions throughout the year, the nivational process sets occur on the nivational rubble slopes. The rate of these process sets vary according to the differences of the climatic environments, slope forms and gradients, and slope materials ; size of the surface material and thickness of the rubble layer. Among them the slope materials perform the important role. The process sets with low rate (less than 3.0&times; 10<SUP>3</SUP>m&middot; t/ Km<SUP>2</SUP>&middot;yr.) correspond with the processes occurring on the slopes which are mantled by the boulder size debris. The process sets with high rate (over 6.0 &times; 10<SUP>3</SUP>m&middot;t/ Km<SUP>2</SUP>&middot;yr.) occur both on the nivational slope with steep gradients and the nivational slopes covered by fine materials.