著者
定松 淳 花岡 龍毅 田野尻 哲郎 田中 丹史 江間 有沙 廣野 喜幸
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.3-15, 2017-06

科学技術コミュニケーションの重要な課題のひとつとしてリスクコミュニケーションがあり(廣野 2013),そのなかでも一般市民にも広く接点のある領域として医薬品のリスクコミュニケーションがある.特に医薬品の副作用は身近で,重大なものになりえるにもかかわらず,その事実は社会的に十分認知されているとは言えない.医薬品リスクについてのコミュニケーションを活性化させ, リテラシーを向上させる必要がある.本稿では,医薬品についてのリスク情報を掌握している薬剤師の専門性に注目し,一般市民の薬剤師との関わりの実態についての探索的調査を行った.その結果から,医薬品リテラシーの向上のために薬剤師の専門性を活用する余地があること,その際には 前提としての「薬剤師が医薬品についての専門性を持っている」という点についての社会的認知を 高める必要があることを指摘する.これは,一般市民に対して知識の増進をつい求めてしまいがちな科学コミュニケーション一般に対しても,社会的なインデックス情報の重要性を指摘するものとして示唆するところが小さくないと考えらえる.

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薬剤師を活用した医薬品リスクコミュニケーションの可能性の探索, 定松淳・花岡龍毅・田野尻哲郎・田中丹史・江間有沙・廣野喜幸, 『科学技術コミュニケーション』, (21) 3 - 15, 2017年06月 https://t.co/0jX3NY9SPC
薬剤師業界じゃないところから、こんな研究が出てくるのは、すごく嬉しい!薬剤師のみなさん、期待されてますよ〜。 ↓ 薬剤師を活用した医薬品リスクコミュニケーションの 可能性の探索 (科学技術コミニュケーション誌21号) https://t.co/cU4lUSVsxS

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